第百八十五話 土地探し開始
「……もう朝か」
習慣というのは怖いもので、夜遅くに寝てもいつもの時間に起きてしまう。いや、それとも年だからだろうか。嫌だなぁと思いつつ寝袋から出て背伸びをし、ストレッチをしているとエイレアとエイミーがやってくる。
ストレッチをしつつ二人にハクロであったことを話したところ、自分たちも今日からいつも以上に気合を入れてやっていくと言ってくれた。無理だけはしないようにと念を押しつつ、グループ分けについては二人の判断に任せて良いかと聞くと良いという。
マルコさんの手配が完了すれば、力仕事ではなく狩猟や名産品などの仕事に移ることになる。動きの悪い人は減るだろうが、これまでのエルフからして得意分野であろうと、その手の人はいなくならない気がしていた。
なにかこちらですることがあれば言ってほしいし、報連相を宜しく頼むと言ってストレッチを終え、皆との朝食の準備に取り掛かる。
勇太たちモンスター討伐班は警備を調査班と交代し狩りに出発、食材調達班も出発し朝食の準備が出来ると戻ってきた。
皆で朝食を始める前に集まったのを確認してから、昨日のハクロでの売り上げと使い道について説明する。力仕事から解放される可能性が出たからか皆盛り上がり、出来れば早いうちに建築に移りたいという旨も伝えた。
皆にはその費用をねん出するためにも、名産品の制作や加工それに狩猟などを、これからも頑張って欲しいと頼むと元気のいい返事が返ってくる。
「コーイチ総督、私をお呼びとか」
食事を終えて後片付けをしている時、ジンネさんから声を掛けられた。恐らくエイミーが行くよう促してくれたのだろう。
片付けをエイレアたちに少し頼むと告げて離れる。マナの木の近くまで移動し人が居ないのを確認してから、国を作るのに適した土地に関する調査を頼む、そう依頼したところ本当ですかと聞き返される。
まだ詳しくは話せないがあまりここに長い出来ないので、申し訳ないが選定の方を頑張ってほしいというと、ジンネさんは背筋を伸ばして鼻息荒く了解しましたと返事をした。
では行ってきますと言って踵を返し、元来た道を走っていくジンネさんを見送った後で空を見上げる。里の復興と自分の国作りを、まさか並行してやることになるとは思わなかった。
考えるに土地を選定してもすぐには建物を建てたりせず、ここだというところが決まったらそこで留め、調査隊にも復興作業に戻ってもらう方が良いだろう。
今の流れからして下手に動けば攻撃する意図がある、などと難癖をつけられかねない。何にしても一挙手一投足見張られていると思って、これまで以上に気を引き締める必要がある。
一人ならまだしも今は仲間が多くいるのだから、軽挙妄動は慎むべきだ。
ーコーイチ、おはようございます。
気合を入れなおしているとエリザベスから挨拶された。自然とマナの木の麓に足が向いてしまい、そこで話していたのだから声を掛けられて当然である。
騒がせて申し訳ないと謝罪した後でおはようとあいさつすると
ー失礼ながらお話を聞かせて頂きました。宜しければ土地探しのお手伝いをさせて頂きたいと思いまして。
そう申し出てくれた。こちらとしてはとても有り難いが、エリザベスたちにマイナスなことはないのかと聞くも、そういった心配はないという。
ー大地の神とは言わなくとも、エルフに魔法を使わせるように出来るくらいには、私たちは力があります。不公平になってしまうし過干渉は禁じられていますので、あいにくあなたの望みを完全には叶えてあげられないのですが。
完全に叶えてほしいなんて言うつもりはないし、誰かにすべて用意してもらった国なんて、恐らくそう長くは続きはしないと思った。
エリザベスが協力してくれるだけで心強いし有難いよと返したところ
ーそう言って頂けると嬉しいです。あなたが私たちやエルフにしてくれたように、私たちもあなたにとってそうありたいと思ったので申し出たのです。是非協力させてください。
声を弾ませながらそう言ってくれる。こちらこそ是非お願いしますと頭を下げてから元に戻った瞬間、光に包まれた一枚の紙がひらひらと舞い降りてきた。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




