第29話「政府に反乱!?正気ですか!?」
日差しが雲に隠れる中、ヘリコプターのそばにはマイケル含めた複数人の軍人と加山。
ヘリの中にはジェイムズ、ソン、アレクセイ。
そしてヘリの音を聞いてやってきた民衆。
その中には、カルヴァ、ミロス、ヴィクトリア、キムがいた。
加山は司令官のほうに進み、そのまま握手した。
その場にいた軍人たちはその場で慌てたように互いを見あっていた。
「誰だ?何が起きているんだ?」
マイケルが司令官に質問する。
「これは政府、いや裏の政府も関与している。マイケル。君はこれから彼らと行動を共にしてくれ」
「これは正規の作戦何ですか?」
「そうだ、政府を倒し、独立宣言をする。そのための政府による作戦だ。我々のアメリカの独立記念日となるだろう」
マイケルは敬礼し、ヘリに乗る。
加山が叫ぶ。
「我々はこれから真の政府に反攻し、新たな国家を作る!信念のあるもの、もしくは手を貸してくれるものがいれば、このヘリに乗れ!10人まで乗れる!」
マイケルは座ろうとしたが、すぐに立ち上がり叫んだ。
「政府に反乱!?正気ですか!?」
上官は確固たる意志を持ったような顔をする。
「ああ、そうとも」
「どうして!?」
マイケルは両腕を広げる。
「マイケル、君はどうして軍に入隊した?アフリカでの任務でボスを倒した後、ボスは君に自由を与えたのに、どうして戻ってきた?」
マイケルは沈黙する。
「我々は政府を守っているのではない、世界中の人々が反乱を起こしたのなら、我々にも考えがある」
「考え?」
「すでに軍隊内でも文化の差によるいざこざが絶えない。わが隊は問題ないが、ほかの隊では少数の他民族を迫害する者も多い」
「人を守るために、反乱を?」
「ああ、そうとも。再び問おう、君はどうして軍に入隊した?」
マイケルは静かに、沈むように座りなおす。
「人びとを守るため」
その目はまっすぐ向いている。
片足をヘリコプターにかけた加山にカルヴァとその一家がやってくる。
「どうした?」
「さっきそこの偉そうな軍人と握手をしていたんだ、それなりの権力を持っているのだろう。もし俺を連れて行くとして、反乱が終わったらどうなる?」
「君を家に送るよ。安全にね」
カルヴァはゆっくりとヴィクトリアに目を向け、その後ミロスにも向けた。
そして、加山の目を見る。
その顔は覚悟を持った人間の顔だった。
「提案だ、そして取引だ。俺もその戦いに参加する。代わりに反乱が終わるまで、家族を危険のない場所にいさせてくれ」
「いいのか?会えなくなることもあり得るのにか?」
「それはないわ」
「え?」
「この人は、私の夫は死なないわ」
加山はその目を見て確信する。
「わかった話には聞いていたが、そうなのだろうな」
「話?」
「いや、何でもない。入ってくれ」
カルヴァとその一家はヘリコプターの中に入ってくる。
その後ろでキムがヘリに入ろうとするが、加山に止められる。
「待て、彼も君の家族なのか?」
カルヴァは振り向き、「いや違う」とだけ言った。
「私は独立主義者です。ともに戦わせてくいただきたい」
「ほう、ちなみにどこの独立を主張する?」
「クローン人です」
「クローンだと?」
「ああ、俺はクローン人の国を作りたいんです!」
加山は数秒黙っていたのち、眉唾を飲み込む。
「面白い。さあ、乗るといい」
キムはカルヴァの横に座る。
「本気なのか?」
「ええ、この日が来ると思っていたんです」
加山はあたりを見渡す。
「ほかにはいないか?」
だが、誰一人出てこない。
「いないか」
加山はヘリの中に戻り、ドアを閉め、座る。
ヘリが上昇し、彼方へと消えていく。
「ここからジェット機に乗り換え、アメリカへ行く」




