終わりから。
ザァッ———ザァッ———
波の音が、空っぽになった頭の中に広がる。
「いなくなっちゃったな……みんな」
………寂しい。
あんなにたくさん泣いたのに、溢れる涙で視界がまた歪む。
誰一人、報われなかった。
「なんでなんだろうなぁ……」
この世界はすごく理不尽だ。
……どうして私なんかが最後に残っちゃったんだろう。
額に張り付いた髪を冷たい潮風が揺らし、涙の跡が痛いほど冷えていく。
頭の中に、みんなに言われた言葉が蘇る。
「待ってて……か」
あとは幸せな日々を歩むはずだったのに。
「……なんでなんだろうなぁ……」
押し殺した声が、情けなく上ずる。
みんなの声。匂い。音。
「……全部、なくなっちゃった」
私は、みんなからもらったナイフを掲げ、鈍色の太陽を刃に反射させた。
「聞いてください。私ね、魔法を教えられたことも、獣人だってことも、統括機関に全部ぶちまけてやりました。そしたら……今まで買った物も、家も、全部取られちゃいました」
私は、ナイフに反射した自分の顔を見つめた。
…酷い顔。
「でもね。……これだけは残しておいたんですよ」
私の…たった一つの宝物。
きっと怒るだろうな……みんな。
「でも……これは私をひとりぼっちにした仕返し。……そう。私を置いていった、みんなへの仕返し」
チャキッ
無機質な金属音が鳴る。手のひらに伝わる柄の冷たさが、現実へ引き戻す。
ザァッ———ザァッ———
「この波が……みんなのところへ……私を連れて行ってくれますように」
潮の香りを胸いっぱいに吸い込む。
鼻に、ツンとした痛みが広がる。
待っててね。
ザクッ
恐らく初めまして。ここはだれ?です。これまではカクヨムでしか出していなかったのですが、これからはなろうでも出していきたいと考えています。これからよろしくお願いします。




