真っ暗闇にライトひとつ
黒服覆面の男たちに屋根裏に連れ込まれた俺は顔を布で覆われ、口には猿轡を噛まされ、手はキツく縛られ、足もくるぶし辺りで縛られ事実上身動きが取れなくされていた。
『この手のやり方、よく知ってる。』
「ぐはす! あやくあいほうしろ、」
「あはは。それはできません。」
よく知った笑い声が聞こえる。『グラス! 解放されたら殺してやる!』これ以上笑い者にされるのはごめんだ!
硬い石造りの壁に背中を預ける格好で放置されていた俺は。布で覆われ視界を奪われながらも勘でぴょんぴょん飛び跳ね移動する。
「あってないでたやくはけろ!」
「アラエル様危ないですよ、ただでさえここ狭いんですから」
グラスが何やら言っているがそんなことは無視して飛び跳ねる
「あらあすぜ!」
「危ないですよ!」
グラスの悲鳴に近い叫び声が聞こえた瞬間、足元に置かれた何かに足を取られ、全身の重力がなくなり何かの破壊音と背中に激痛が走る。
ガッシャン‼︎
「あってっ‼︎」
「言わんこっちゃない、危ないって言いましたよね」
「なははやふこはすせ」
「うん、なら早くから外せ?。それはできないですね命令ですので。上の者が来るまで対応しかねます」
「俺が上だ!」
何故かその声だけは鮮明に通った。
背中が痛い。
「表の世界の話ではありませんので」
「あ、あにおするきだ!」
「あはははあはは。申し訳ありません教えられません」
「くはす!」
「あすけてくれ‼︎ あすけてくれ‼︎」
痛い足を引き摺りながら芋虫のように這い進む。
「静かにしてください」
「くらす!はやくはすせ!」
「あまり手を出すな、と言われているのですが……仕方ないですね、多分痛みは感じることは………」
1人もごもご呟いたグラスは俺の足を掴み、動かないようにされた。
「はい! そこてたまりこむな‼︎」
「多分大丈夫でしょう」
グラスは1人勝手に何かに納得したのかコクリと頷く。
「少し大人しくしてください」
「は、はんだ!ーーーッ!」
グラスの呑気な一言が聞こえ、グラスの足音が俺に近づく。
そして首をトンッと叩かれて、意識を手放した
拘束される事約10分
グラスに首をトンッとやられた意識を失い約10分。
俺は諦めていた。
「……おーい……誰かー…助けてくれーーお花摘みに行きたいー……キジでもいいからー助けてくれ……」
生きる気力を無くしたアラエルの目にはお花畑が映りすぐに雪降る山奥は場面が変わった。
「ここはどこだ?」
アラエルが見ている幻は大雪が降る山奥、人が住んでいる気配もなく、自分の足跡も3分外で埋まる豪雪地帯。
木々に積もった雪がガサガサと音を立て、地面は崩れ落ちた。
アラエルはパンツ一丁と言うよくわからない姿で幻の山を歩く、目の前には人工の物と思われるライトが見えているが先ほどから何キロも歩いてあるが近づく気配はない、それどころか先ほどよりも遠く感じられる。
「そのライト待てー」
「水!喉が渇いた……」
思わず膝を着きかけたアラエルは一つの案が思い浮かんだ。
「この雪、食えるかな?、でも身体冷えたらまずいか……寒いーしぬーたすけてーだれかーおーいエス オー エ〜ス」
が
ヘトヘトの状態で歩き続けたアラエルは足元が疎かになり、飛び出た木の根っこに躓き、そのまま前に倒れ込み、雪を口に含んだ。
「あったかい、美味しい、甘い、……はぁ、天国だ〜明るい、雪もない、食べ物もたくさんある〜」
目を開いて起き上がったアラエルの視界には雪山ではなく
真っ白花だけのお花畑が一面に広がり、
その中心付近には豪勢な料理がテーブル一杯に広げられてアラエルは走り出す
「な、何でで動かない!」
足を踏み出そうとするがその足は動かす、足元を見ると血塗れの手が何本もアラエルの足を掴む。
「や! やめてくれ! お願いだ助けてくれ」
地面に引き倒されたアラエルはその手に引き摺られて、真っ黒い部屋は連れ込まれた。
た! 助けてくれ‼︎
「ヅ‼︎」
ある種のの昏睡状態から飛び起きたアラエルは上がった息を押さえつけながら周囲の様子をゆっくりと確かめる。
拘束された時につけられていた、布と猿轡はいつの間にか取り外され、窓にかかっていたカーテンも外され、太陽光が差し込んでいる。
「ここは……」
「アラエル様気付きましたか」
背中側から声が聞こえて、急いで振り返ったアラエルはそこに居た人物に驚きはなかった。




