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最終話

 宇宙のどこかにいる君へ。

 あれから五年。君が告げた人類滅亡のタイムリミットを超えて、地球は統一政府の元で平和共存の道を歩んでる。

 二大国は完全に解体されて、新しい政府は今も平和の為に活動を続けている。残念だけど、まだ完全に平和とは言い切れない所もある。だけどそれでも地球は五年前と比べれば別格の平和だと思う。

 おかげでアストラル独立運動もすっかり忘れられてしまったみたいだけど、一応二大国の全面戦争の引き金を引いた父さんたちは、今も政治犯として収監中。まあ極刑も終身刑も免れたから、遅くても十年で刑期は終わるらしい。だから後五年くらいかな?出来るなら、君が帰ってくる前に出てきてほしいな。

 そう言えば、ヘラ姉の恋人の話は前の手紙で書いたよね?なんでも、そろそろ結婚の噂があるんだ。ハッキリとは言ってなかったけどね。

 後、私もようやくツバサ先生の研究室に正式に所属になったよ。これまでは自称博士だったけど、今日からは本物の博士。この手紙を書き終えたら、アストラメタルについての論文も書かなくちゃ。

 いつもどおり、この手紙は宇宙開発部の人に頼んで宇宙に送ってもらうことにします。この手紙、やっぱり届かないのかな?もし届いてるのなら、帰ってきたとき感想教えてよ?

 ここで待つ私より。




 手紙を書き終え、宛先に宇宙開発部宛と書かれた封筒に入れる。誰もいない自宅を出て自転車に乗る。目的地に向かう途中のポストに封筒を入れ、そのまま自転車をこいでいく。

 息を切らせつつ坂道を登り、やがていつもの洞穴にたどり着く。

 いつも手紙を書いたあとはここに来ていた。もしかしたら、もうここに帰ってきているんじゃないかと淡い期待をしながら。

 だけど今日もそんなことはなく、誰もいない洞穴で一人ため息をつく。

「バカ…」

 寂しい。早く帰ってきてほしい。声にならない叫びが頭の中でぐるぐる回り続ける。

 やがて疲れて激しい眠気に襲われる。瞼を閉じた目の向こうで、赤い光が彼女の目前に降り注ぐ。

 そして、誰か懐かしい暖かさを持った手のひらが、レノアの頬を撫でた。

「ただいま…」

「…お帰り」

 そう呟き、イルアはそっと目を閉じるレノアの唇にキスをした。

 二人のファーストキスは、涙の味だった。

これ終わりです。最後、急ぎすぎたかな?

未熟な点も多いかと思われますが、この小説の長所と短所を客観的にまとめてくださる方がいらっしゃれば大変ありがたいです。

それでは、次回作があればまた。

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