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猫という男
猫と名乗る男は、赤いリボンのついた両手サイズの箱をアリスに差し出した。
「なにこれ?……もしかして爆弾!?」
男は小首を曲げ不思議そうにこちらを見る
「プレゼントだよ。」
プレゼント……目の前の箱を見つめる
「私とは知り合いなの?」
見ず知らずの子にプレゼントを渡すような大人には見えない。
ヒョロっとした体型。
顔はフードでよく見えない。
フードの上にはピクリと動く洗っていないであろう汚らしい猫のような耳。きっと元は茶色だっただろうな。今は汚れていてほんのり薄く茶色が見え隠れしている。
というかあの耳は本物??
逆光でよく見えないが口が三日月のように笑っている。
喋るときにキラリと尖った歯が光る。歯というより牙といったほうがシックリくる。
プレゼントを持つ手は黒の手袋をしていた。
「そうだよ。アリス、僕はチェシャ猫」
「チェシャ猫…?あだ名??名前?」
「これを…」
質問は無視しグッと渡された拍子にプレゼントの箱についたリボンがヒラリと落ちる。
アリスはそのリボンを拾おうとベッドの下に目を向ける。
「あ、あの、一体何が…あれ?」
拾いながら発しさ言葉は行き先を失った。
一体何が入っているのか聞こうとし、顔をあげるとそこにはもうチェシャ猫の姿がなかったのだ。
「なんなの…」
アリスは戸惑いながらその箱をあけた。




