中学生(12)
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この前謎の子供から貰った(多分)お守りらしきものを鳴海に渡すと、ここ数か月体調を不定期に崩していたのが無くなっていた。最初鳴海も、健也からお守りのようなものを渡されて困惑していたものの、身に着けるようになってからは体調を崩すようなことは激減したらしい。その激減していたことに鳴海と鳴海両親はとても驚いていたので、どうしてそんなに驚いているのかを聞いてみたが、それとなく躱されてしまった。結局鳴海が体調を崩すきっかけというか原因は掴むことが出来なかったが、体調が良いことは何よりだ。これで1つの心配ごとが無くなったので健也的にも問題なしだ。
2年生になってから数か月経ち、現在6月下旬。クラス替えもあり、健也は鳴海と一緒だったが、吉良と愛奈は別のクラスになってしまった。しかし2人は一緒のクラスのようなので、孤立することは無くてホッとしていたようだ。特に吉良が健也と一緒のクラスじゃないことにかなり落ち込んでいた。確かにクラスが違うと話す時間も会う時間も今までよりも激減してしまうので、仲が良い人と離れることに落ち込むのも無理はない。
教師側からしても、仲の良いグループのメンバーを分けるようなことに心が痛む人もいる(大抵はなんとも思わない)が、新しい友人も作って人間関係を増やせと遠回しに言っているのだろう。
健也「このクラスも慣れてきたな」
鳴海「2人がいないのが残念だけどねー」
ちなみに席は廊下側の最後尾に鳴海(鳴海の右は壁)、その左隣に健也となっている。健也の左には女子がいて
女子「あ、健也。おっは~」
健也「おはよう、星奈」
星奈「鳴海さんも、おっは~」
鳴海「……おはよう。星奈さん」
2年生になって話す仲になった星奈。中学2年生にしては身長が高い方で、クラスの女子背の順だと最後尾にあたるくらいで、男子も混ぜての背の順でも、最後尾から数えた方が早いくらいだ。しかし本人は背が高いことをあまり良いこととは思っていないようで、背のことについて言及されると少し気まずそうな顔をしている。そしてなぜか鳴海は星奈のことが苦手というか嫌悪というか、あまりよく思っていないようだ
星奈「あ、健也。教科書忘れたから見せてな~」
健也「しゃーねーな」
星奈「あは、サンキュー健也♪」
健也「はいはい」
鳴海「……」
星奈と席をくっ付けて授業を受ける。鳴海をチラッと横目で見ると、板書に集中しているようで、健也のことを全く気にかけていないみたいだ。健也も板書に集中するが、隣の瀬奈が、健也の視界の隅に手を出している
星奈の方を見ると、自分のノートに指をトントンさせている。ノートには
星奈【健也って鳴海さんと付き合っているの?】
首を縦に振ると、星奈はまた自分のノートに何か書き足した
星奈【本当に?】
健也【本当】
健也も自分のノートにシャープペンシルを走らせて星奈に見えるようにノートを星奈の机の方に侵入させる。それを見た星奈は全く信じていないような顔をしていた
鳴海は健也に「もし付き合っているかどうかを聞かれたら付き合っていると言ってね。約束、だよ?」と言われ、特に断る理由も無かったのと、以前吉良にも「鳴海と付き合わないのか?」と聞かれ、その時は流したが、普段一緒にいるし、一緒に寝ることもあるし「最早世間で言う、付き合っているに該当するのでは?」と思い、承った
これを付き合っているというのか、健也にもよく分かっていないのだが、鳴海以外の女の子とより親密になりたいのかと問われれば、すぐに首を縦に振ることは出来ず、ただのカカシになってしまった。愛奈とは仲は良い方だと思うが、これが「付き合う」意味での仲の良さというよりは、「友達」よりの仲の良さだと健也は思っている。愛奈も健也に恋愛的な好意は持っていないようだ(鳴海情報)
星奈は身体を健也にピタリと付けて、健也の耳もとで
星奈「本当は付き合っていないでしょ? 私知ってるんだよ?」
健也【付き合ってるよ】
星奈「強情だな~~」
更に身体をくっ付けてくる。中学2年生女子、人によっては発育の速さも早い。そしてこの星奈も同学年女子と比べて発育が早いようで、胸が少しだけ膨らんでおり、軟らかい部分が健也の腕に当たる。流石の健也もそれをされると顔を真っ赤にしてしまい、どうしようかと焦っていると、右足の下に何かが落ちるのが見えた
消しゴムだ
鳴海の方を見ると気付いていないようで、集中して板書を続けている。気付いていないようだし自分が取るかと思い、星奈のアタックから逃げて、消しゴムを拾う…が
この消しゴム、やけにカバーからはみ出るようにわざと上に消しゴムが飛び出ている。そしてカバーと消しゴムの境界線の所に何か文字が書いてあるのが見えた。なんだろうと思ってカバーを下にずらすと
『イチャつくな』
恐る恐る顔を右上に上げると、そこには顔は黒板の方を向いているものの、目は健也の方を向いていた。その目はもう健也を睨み殺す勢いの視線で、顎を少しだけクイっと動かす。それは健也が持っていた消しゴムを指していた
先生「ん? 健也君どうした?」
健也「すいません、消しゴムを落としただけです」
先生「おう、そうか」
短い時間とはいえ、同じ所に同じ姿勢を取り続けていたら教壇に立っている教師からしたら不自然にしか見えない。生徒側からするとバレないだろうと思って隠れてスマホを弄っていても、教壇に立って見渡すと結構不自然な動きをしているからバレていることが多い。先生によっては注意をするようだが、そんなことをして「はい、すいません。もうやりません」と言ってやめるほど、人間出来ていない。強い気持ちで押さえないと、間隔が空いてもまたやってしまう。特にまだ学生ほどそうであることが多い。
消しゴムを鳴海の机の角に置いて自分の席に戻る。星奈は健也のことを気にしないで板書をしていた。健也も急いで書き遅れた部分を書いていくが、先生にその部分を消されてしまう。後で鳴海に書き写させてもらうしかないようだ
授業を終えて、昼休み。さっきの授業で書けなかった部分を見してもらっていると、吉良と愛奈がやって来た。2人とも近くの空いている席を拝借して鳴海の席と健也の席にお弁当を置いた、ちなみに愛奈は鳴海の席に、吉良は健也の席にお弁当を置く
吉良「また隣なんだね」
愛奈「偶然もここまでくると笑える」
鳴海「私もびっくりしてるよ~、まぁ付き合っているしね」
健也「その理由は関係あるのか?」
鳴海「あるよ」
愛奈「ある」
健也「そうなの?」
吉良「僕に聞かないでよ、は~、お腹空いた~」
吉良のお弁当はこの中で一番大きい。健也の机の2/3を占領しているが、吉良なので許す。他の人ならお弁当をしまわせるかもしれない
健也「それうまそうだな」
吉良「ふっふっふ~、そうでしょう~?」
健也「なんでそんな自慢げなんだよ」
吉良「食べてみる? ほらー」
大きな唐揚げを箸で掴んで健也の口の前に運ぶ
愛奈「良いの?」
鳴海「吉良君なら平気。他はダメ」
愛奈「私は?」
鳴海「は?」
愛奈「なんでもない」
鳴海「吉良君にしたら?」
愛奈「は?」
鳴海「なんでもない、そういうことだよ」
愛奈「はいはい」
女子が何か話をしているが、会話を聞いてもよく分からないので聞き流して口を開けると
健也「これ上手いな」
吉良「でしょでしょ? 美味しいでしょ~?」
健也「あぁ、最高だ」
吉良「それ鳴海さんが作ったの?」
健也「そうだよ、いつも上手いんだ」
吉良「へー、イイねそういうの」
健也「安心する味なんだ」
愛奈「……」
鳴海「それは良かった。作った身としては嬉しいもんだよ」
吉良「何度も言ってるよねそれ」
健也「嬉しいことは何度も伝えるべきだって思って」
鳴海「けん君偉い」
吉良「確かにお礼を毎度も言うのは偉いよね。そのうち当たり前になって感謝すること自体忘れちゃうことが多いし」
愛奈「確かに慣れると感謝すること自体無くなるよね」
鳴海「そうだねー、けん君、いつもありがとうね」
健也「あぁ、鳴海もありがとうな」
吉良「なんだこれ」
愛奈「吉良、いつもありがとうね」
吉良「え? あぁ、愛奈もありがとうね」
愛奈「……なんだろうねこれ」
吉良「それさっき僕も言った」
そんな感じで昼食を進め、それぞれのお弁当を食べ終えると鳴海が席を立ってどこかに行ってしまった。それを見た吉良と愛奈は
吉良「さて、健也」
健也「何」
吉良「星奈さんとはどんな関係なの」
健也「あれ、星奈を知ってるのか?」
愛奈「有名だから」
健也「何で」
愛奈「なんか危ないことをしてるとか、危険な人とか」
健也「そんな風に見えないけどなー」
星奈はこの教室では鳴海の次によく話す生徒だが、そんな危ないような雰囲気は無かったように思える。健也に危機感地能力がよほどポンコツなのか、それとも裏では危ない人なのかもしれない。そこまで気にするようなことではないと思って適当に流そうとするが、意外にもこの2人は星奈についての話題が続いている
吉良「星奈さんとは連絡先の交換は?」
健也「してるよ」
愛奈「それ見せてくれない?」
健也「え、なんでよ」
愛奈「私も星奈さんの連絡先を交換しているだけど、偶に彼女のなりすましのアカウントがあるからさ、確かめたいの。直接交換したんでしょ? 私は紹介してもらったアカウントだからさ」
健也「分かった、けど会話の内容は見ない。それでいい?」
愛奈「それで問題ない」
健也はスマホを取り出して、先生に見つからないようにカバンの中にスマホを入れて、星奈のアカウントを2人に見せる
愛奈「……」
吉良「……うん、ありがとう」
健也「何かあるのか?」
吉良「何かって?」
健也「いや…何か?」
愛奈「何も無いよ。ただ確認したかっただけ」
健也「そう? もういい?」
愛奈「うん、ありがとう」
2人は満足したようで、何かを話した後に健也とまた話をし始める。予鈴のチャイムが鳴り、吉良と愛奈も自分たちの教室に戻っていくが、鳴海は戻ってこなかった。鳴海は予鈴には必ず戻っていたので、少し不安になってしまう
ま、まさかどこかで倒れていたり…、探しに行った方が良いか?
仮に入れ違いになったとしても、倒れていたらそれどころではないので鳴海を探しに行くことに。近くにいたらそこまで心配ないけど、もし遠くにいたとしたら……外を見ると、体育館の裏に鳴海らしき人物と誰かが話をいているのが見えた。誰かは木と重なっていて分からないが、上履きをしているのは見える。しかし男子か女子か分からない。見える足の数的に1人のようだ。体育館の裏で話をする……これはもしや? いや、でもそうなら放置で良いのか?
そう悩んでいると鳴海は大きくため息をついたような動作をすると、こっちに急いで戻るように小走りで校舎に入って行くのが見えた。鳴海と話をしていた誰かは姿を見せない。立地的に鳴海と来た道を通らないと校舎に戻れないはずだ
あ、もしかして……
もし告白をして振られたとしたら、ショックでしばらく動けないのかもしれない
???「誰~だ~!」
健也「うおお!?」
突然視界が真っ黒になる。後ろには少し軟らかい感触と最近聞きなれた女の声だ
健也「星奈」
???「あはは、バレたか~」
目に当てていた手を放してくれて視界が戻ってきた。後ろに振り返ると星奈はいない
健也「あれ」
また目に手を当てられ
???「誰~だ~?」
さっきより猫なで声だ。なんか色っぽいと感じてしまい、少し興奮してしまう健也
健也「せ、星奈だろ」
今度は健也が手を引きはがして回り込まれないように少し強く握ると
星奈「け、健也、少し激しいよぉ~」
健也「んな!?」
聞くだけだと誤解されかねないことを言うと、突然身体を健也に近づけて
星奈「ところでさ、鳴海さんが持っているお守りってどこで手に入れたの? あれ、実は私も欲しいな~って思ってさー」
健也「え……あ…」
星奈「ふぅ~」
健也「!!!」
耳に軽く息を吹きかけられると、ゾクゾクと感じてしまった健也。本当に同じ中学生なのか疑ってしまうくらいだ……まるで綺麗で妖艶な女性ではないかと思ってしまう
星奈「ねぇ、どこで手に入れたの?」
星奈が健也の太ももをさわさわとしていると、突然後頭部に強い衝撃が走る
健也「っで!!」
突然の衝撃に、両手を後ろに当てて膝をついて痛みを和らげていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた
???「何してるの」
星奈「あちゃー、健也。またイイこと、しようね?」
星奈は健也の後ろにいる人の姿を見ると、一目散に教室に逃げて行ってしまった。本鈴が鳴ると、先生がやって来た
先生「おい、2人とも。もう授業が始まるから教室に戻りなさい」
???「すぐ戻ります」
健也「アッハイ」
???「ごめん、少し強くしすぎたかも」
手を指し伸ばされる。その手を掴んで立ち上がると鳴海と目が超至近距離で合った。遠くから見ればキスをしていると思われてもおかしくない距離だ。ここまで距離が近いことに照れた健也は距離を取ろうとするが、鳴海はそうはさせないと健也の胸倉を掴む
鳴海「何を言われたのかな~?」
健也「え」
鳴海「星奈に何を言われたのかな~?」
健也「えっと…」
鳴海「けん君?」
いつものように目を合わされる。それをされたら健也に抗うすべはない
健也「この前鳴海に上げたお守りあるでしょ、あれをどこで手に入れたのかを聞かれた」
鳴海「それだけ?」
健也「うん、それだけ」
鳴海「……ならいいけど、けん君」
健也「何」
鳴海は健也に耳もとに口を寄せて
鳴海「私と愛奈以外の女とそんなに仲良くならないでね」
健也「え…」
鳴海「返事は?」
健也「う、うん。分かった」
鳴海は健也の目をずっと見つめる、健也も鳴海の目を見つめる
先生「おい、2人とも? イチャイチャするのは授業の後にしろよ?」
キレ気味に教室から顔を出している先生
それを見た鳴海と健也は先生に謝りながら教室に戻り、授業に必要な教科書やノートを出す。隣にいる星奈は、まるでさっきの健也とのやり取りなんか無かったかのように周囲の生徒と談笑をしている。戻ってきた健也のことを見ると笑顔で手を小さく振ってくるが、横から鋭い視線を感じる。横を見ると、目だけで健也を睨んでいる鳴海が座っていた
何が何だかよく分からない
授業の内容もよく入ってこないで、鳴海と星奈の関係について考えていたが、何も分からなかった
星奈 せな




