晶と鶴の部活動
全員部活に参加が義務付けられた学校の部活動に馴染めない4人が繰り広げる部活動。
今日は、晶と鶴の二人だけ。
会議用の長机の隅と隅に座りあっている。
「「…………………」」
「「…………………………」」
「「……………………」」
「「………………」」
「「……………………」」
「「……………………………」」
「「……………………」」
「「…………………………」」
「「……………………」」
「「……………………」」
「「……………………………………………」」
「「……………………」」
「「……………………」」
「「…………………」」
「「……………………………」」
「「……………………」」
「「……………………………………」」
「「……………………」」
「「……………………」」
「「…………………」」
「「……………………」」
「「…………………………………」」
「「……………………」」
「「…………………………」」
「はい!そこまで!!」
廊下でこっそり中を覗っていた司と由宇が姿を現す。
「あんた達、この部活の名前知ってる?」
「おい。それは俺がおまえに昨日聞いた………」
司の肘を中心に回転させた最小限の動きで繰り出す裏拳が由宇の人中に命中する。
「口の中が切れたぞ!下手したら歯が折れるだろうが!!」
「はい。鶴っち。部活の名前は?」
司は完全に由宇を無視して、鶴に近づきながら質問する。
「…主に会話で成り立つ世界…」
「正解!けどね……あなた達は一言も会話がありません!ラジオでもテレビでも放送事故のレベルよ。読者が居たら更新詐欺と言われるレベルで会話無し!」
「あの。僕はまだ黒井さんの事を良く知らなくて。」
「うんうん。仲良くなるにはまずは会う事から始めないとね。晶くん。あなたなぜ昨日部活に来なかったの?」
「先生に捕まっていました。今日配る資料をホッチキスで留める作業を延々とさせられていました。」
晶と教師が二人、延々とプリント揃えホッチキスで留めるシーンが他3人の脳裏に浮かぶ。
「鶴っちは?」
「…わたしは数学の先生に分からない事の質問に行っていたの…」
「黒井さんでも分からない事があるんだ?」
人中を叩かれる激しい痛みから回復した由宇が質問した。歯茎からわずかに出血している。
「…もっと計算回数減らせるのに、わざわざ計算回数増やした事が分からなくて…」
「まあ、計算はすればするほど間違える可能性が増えるからなぁ。少ない方が良いよな。」
「…由宇…あなた数学が出来るの?…数学の先生は泣いちゃって話が先に進まなかった…」
先生を泣かした?驚きで部室がしばらく無音になる。それを払拭すべく由宇が話し出す。
「まあ、自分の中では得意な方だけど、成績は自体は悪いぞ!」
「あんたのは自慢にもならないけどね。あんた他の成績が体育以外悪すぎるのよ!」
「…けど計算すればするほど間違える確率が上がる事が分かっているだけ他の人よりまし…」
「うんうん。鶴っちも結構話すじゃない。その調子でお願いね。次は晶くん!」
「えっと。何を話したら良いか分からないのですが……」
晶が話そうとした所で無情にもチャイムが鳴る。
「残念。晶くんは明日、鶴っちと話す事を考えておくように。部長からの宿題です!」
「おい。あまり無茶ぶりはするなよ?晶、こいつの言う事あまり気にしなくて良いからな?」
「ぶぶー。残念なお知らせですが、罰ゲームを付けます。じゃあ今日の部活はこれまで!」
二人きりだと更新詐欺だと言われてもおかしくない晶と鶴の部活。
司と由宇の介入で何とかなったのか、ならなかったのか。
ただでさえ少ない読者が離れたのか離れないのか。
次回に更新した時に判明するのである。