討伐報酬と爆弾情報
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10日間、本当に暇だった。色々とやらない事がある訳でもなく。戦利品の整頓をしたくらいだな。インベントリの中身をちょちょいと弄っていた位だ。マジで暇だ。何もないのが10日もあるのは辛い。
何かしている事がこんなにも癒しだとは。何もしないで暇しているのって、なんでこんなに辛いんだろう。ゲームをしているのに、インしているのに、討伐にも行かなければ、生産もしないなんてほとんどないからな。
まあ、1日くらいは良いんだ。そのくらいは良い。暇で暇で死にそうになるとは思わんだろう? 盗賊の討伐よりも、暇な時間を潰す方が強いとは。
護衛依頼は良いよ。何もなくても仕事をしているって解るから。完全な休みって殆ど無かったからなあ。今まではなんだかんだと生産もしていたし。
暇すぎる日々が漸く解消される。冒険者ギルドに集合して、それで出来るのであれば、今日にでも帰ろう。暇すぎる。何もしていないなんて耐えられない。
責めて研究がしたい。素材を自分で取りに行くのもなんだしな。そもそもそこまで素材が集まるのかって言われると、微妙というね。だったら買えという話ではあるんだけど、高値で掴まされるのも嫌いだ。出来る限り定価の時に買いたい。
「クラン、リベレーションズです。盗賊討伐の結果を聞きに来ました」
「お? あんたがリベレーションズのクランマスターか。報告は上がってきてるぞ。確認の結果、指名手配された盗賊団を討伐したことが確認された。報奨金が出ているから持っていってくれ」
「ちゃんと確認できたんですね。良かった」
「ああ、ちゃんと討伐されていたって記録されてる。ちょっと待っててくれ。報奨金を持ってくる。それと、クレマグリッドの町の冒険者ギルドへの報奨金も持っていってくれ。護衛依頼を頼んでも良いんだけど、どうせ序でだろう?」
「ああ、良いですよ。どうせ序でですし。戦力がしっかりしている俺たちが持って帰る方がいいとは思いますしね」
「だよな。それじゃあ持ってくるわ」
序で。あくまでも序でだ。……本来であれば、ここの貴族の関係者がちゃんと向こうの貴族の所に行って、詫びを入れないといけないとは思うんだけどな。
そんな事をするくらいの頭があるのであれば、金額をケチることはしないだろうし。そういう貴族様なんだなって事で澄ませばいい。まあ、常識が無いのは仕方がない。頭が足りていないんだろう。
そんな訳で、俺たちへの報酬である大白金貨を30枚と、冒険者ギルドへの補填である大白金貨50枚を持って、帰ることに。
因みに、クレイスはぶちぎれていた。何の挨拶も無しで良い訳がないだろうと。まあ、それは当然の事ではあるんだけどな。何の詫びも無しにはいかないだろう。普通は一言であろうと、何かしらあるものである。これ、社会人の常識でもあるからな?
そりゃそうだろう。他所の部署から人材を借りて、詫びの1つもないとかあり得ないからな。冒険者ギルドの職員にしても、悪気があった訳でもないとは思うんだよな。彼は下っ端。その辺の事は考えていないだろうし。
考えていないといけない筈の貴族がそういう事なんだから、怒っても仕方がないとは思う。俺も序でを強調してきたけど、普通はあり得んよなあ。
同じ会社の中で、違う部署の人間を使ったとしてもだ。部長クラスが菓子折りをもって行くのが当然だとは思うね。下っ端の俺たちが何かをいう権利は無いんだけどさ。
そんな訳で、訳アリの状況で15日間かけて帰ってきた。急いでいないし、序でという事で、じっくり帰ってきた訳だ。他意はないよ? 本当だよ?
「そんな訳で、ギルマス。これが大白金貨50枚です」
「あれ? 預かってきちゃったの? 向こうの人は?」
「詫びも何も無しですよ。こっちはあくまでも序でで持って来ただけですので」
「えー……。本来であれば、一言二言あっても良いと思うんだけどな。冒険者ギルドは良いんだよ? 特に何も悪い事はしていないし。でも、冒険者ギルドを管理している貴族家は違うでしょ? 僕の所と、ザガット伯爵家に詫びの言葉は必要でしょう?」
「それも思いましたけどね? 思いましたけど、どうしようもないじゃないですか? こうなってしまったんですし?」
「口調がおかしくなってるよ? まあ、解らないでもないけど」
「普通は詫びの一言でもあるのが普通だろうよ。どうしてもいけない理由があったとしても、手紙を書くなり、何らかの方法はあっただろうよ。それすら無しなんだもんな。逆に凄いとは思うぞ? 何処の貴族家なのかは知らないけど」
「うーん。僕も流石に全部の貴族家を把握している訳でもないしね。どこの誰なのかは知らないけど、冒険者にフルーディアの町に行くのは止めておけっていうかな。冒険者への敬意も何もない所に行くほど、冒険者の命だって安くはないんだよ」
「そんな事だから、指名手配が出てくるような状況になるんじゃねえの? って言いたくもなる。流石に何も無しでは駄目だろうよ」
「本当にね……。まあ、いいや。それで? 実際の所はどうだった訳?」
「相手の実力は解らん。楽勝で勝てたからな。ただ、数は1000を超えていた。明らかに過少申告していたとは思うぞ。相手のレベルも何処まで高かったのやらだ。因みに、場所はフォルト草原の方に若干入るかな? って感じの場所ではあったから、150はあるのは確定で良いとは思う」
「……流石に多すぎない? こっちに報告が来てたのは300未満だよ? 3倍から4倍はあるじゃん。まあ、余裕で勝てるんだろうなあとは思っていたけど。そのくらいは信用してたからさ」
「余裕過ぎてどうしようかと思ったくらいだ。もうちょっと苦戦をすると思っていた。そうじゃないと、クランメンバーの訓練にもならないし。普通に対人戦を学んでもらえば良かったんだけどな……。殺しが出来るか出来ないかの確認しか出来なかった」
「……そこまで戦力差があったの? 魔法が使えるだけでは無いよね? そこまでの戦力差が出てくるって事はさ」
「まあな。……ギルマスは装備について何処まで知っているんだ?」
「ん? 装備? 武器と防具の事?」
「それ以外だ。クレマグリッドの町では見た事無いんだが?」
「えーっと? それ以外に何かあるの?」
「あるんだよ。腕輪、足輪、指輪、ネックレスにイヤリング、後は帽子とか王冠とか。そんな感じでの装備品の事だ」
「偶にいるよね。冒険者でもアクセサリーをしている人。それがどうかしたの?」
「例えばだ。この指輪。この指輪は、土属性魔法と嵐属性魔法の威力を2.2倍から2.5倍にしてくれる。そういうものだ」
「え? ……ちょっと待って。ちょーっと待ってくれるかな? え? それって反則じゃない?」
「反則でも何でもない。例えばこの腕輪。これは動体視力を大体1.5倍にしてくれるものだ。この足輪。これは身体能力を1.5倍にしてくれるものだ。これは俺たちのクランの生産職が作ったものだぞ? この程度の装備を何故しない?」
「待って待って。情報量が多すぎ。……単純に聞いていい? それって何処まで装備できる訳?」
「大体指輪であれば28個までは何とかなる。腕輪にしても10個くらいまでなら動きに支障は出ないくらいだ。足輪も同じくらいだな。ネックレスなんかも5つくらいなら何とかなる。イヤリングも3種類か4種類は付けられるんじゃないか? 帽子は流石に1つだろうけど」
「……因みに、何時くらいからそれを知っていた訳?」
「初めからだが? そもそもそれらの装備を誰もしていないどころか、市場でも売っていなかったから、なんで無いんだろうとは思っていたが」
「知らないから無いんだよ……。知っていたらもうちょっと冒険者は強くなっているんだよね」
だろうな。そんな事も知らないとは思わないだろう? 普通に知っていると思っていたんだよ。なんでないのかなとは思っていたけど、店を構えるくらいの人じゃないと碌に作れないのかなとか思っていたんだよ。普通に市場は見るけど、店舗には行かないからな。
そりゃあ冒険者が弱い訳だ。装備品縛りなんてやっているから。まあ、鑑定の魔道具がない以上、中々に効果を得るのは難しいとは思うんだけどな?
ゲームで装備品をしていない箇所があったら、舐めプかな? って思うのが普通だろう。冒険者は全員そうなんだぞ? あり得ないだろう。普通は装備枠は全部埋めるんだよ。たとえ無関係のものだったとしてもだ。




