幕間 4
「今しがた、討伐部隊が出発したとのことです。」
「ああ。…遅かったな。」
「申し訳ありません。何分、この時期に山に入るということはありませんでしたので。そのせいかと。」
「まぁいい。公にはしていないだろうな?どこかに漏れているということも。」
「はい。一部の方々は感づかれているかもしれませんが…。情報統制はできております。」
「わかった。」
「…しかし、本当によろしいのですか?王の了承は得てはおられないのでしょう?」
「くどいぞ。何回言わせるつもりだ。だからこそ、今やらねばならんのだ。」
「しかし、シグル-ン殿がいかなくてよかった、などとおっしゃっておりましたが…。」
「あいつの話はするな!…父上が病に伏している今、王国の危機。父上が病気というだけでもまずいのに、このままではこの国は内側から崩壊しかねん。…そうだろう?」
「ただ…少し、早急に過ぎるかと。」
「機を逃してどうするというのだ?私にはあの出来のいい庶子ほどの軍功はない。もしこのままあの老いぼれが死んだらどうなる?もしもあいつが…何の位もない女の子供が、王となったら私の立場は?」
「…申し訳ありません。出過ぎた真似を、いたしました。」
「いや、いい。お前の危惧も分からんでもない。この討伐が危ういのは分かっている。…だから、ここまでの徹底的な緘口令を敷いたのだ。この寒波の根源を断ちに行く、だがそれはあまりにも簡単だ、それを失敗した、となるともう、どうにもならないだろうからな…。」
「ですが…冬の山は、あの、山脈は人の立ち入る場所ではない、ですから。そう簡単にはいきますまい。」
「ああ。その通りだろう。だが、上手くやってもらわねばならぬ。そうでなければ…私、いや、王国もろともひっくり返ってしまうとも、しれぬ…。先発隊が帰らなかった場合、及び、失敗した場合に備えておけ。…救国の英雄だ。いくらでも志願者はいよう。」
「…分かりました。」
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