私から君へ
朗読用の台本です
-----本編-----
おはよう。
君が居なくなって、もう何度目か分からない朝が来ました。
気持ちの整理が付いたから、君に返事を書きます。
びっくりしたよ、だって、手紙をたった一枚残して、君は私の前からいきなり居なくなってしまったのだから。
君からの手紙が届いた日、君のお葬式に呼ばれた時は、頭の中が真っ白になって、事実を頭の中で処理しきれずに、涙も出てこなかった。
だけど、君の覚めない眠りに落ちた顔を見た時
あぁ、もう君におはようと挨拶することも、貰ったバラのお返しをすることも
楽しい思い出を作ることも、もう出来ないんだって理解できて、
顔がクシャクシャになる位、泣きました。
君のお願いに応えられなかったよ。
言い訳ぐらいさせてよね。
大好きな君が、目の前から居なくなって、「泣かないで」って言うのは
随分身勝手なお願いだと、君は思わなかったのかな?
わかってる、そう言うしかなかったんだよね?
君はいつでも周りの人を気にして、励まそうとするお人好しだったから。
私が悲しまないように、顔もみせず、一枚の手紙に言葉を乗せて、たった一人で逝ってしまったんだよね?
でもね、私はちゃんと顔を見て「さようなら」を言いたかったな・・・
君と過ごした時間は、決して長くはないけれど、君は沢山の宝物をくれました。
私が初めて声を掛けた時の事を、覚えていてくれてありがとう
最初は凄くびっくりしたんだよ?
でもね?君は気付いてないだろうけど、私が挨拶したその次の日からは
君の方から挨拶してくれたんだよ?
誕生日会にいきなり誘って、ゴメンなさい
君と仲良くなりたくて、少し焦っちゃったんだ。
そのせいで、君を困らせてしまった事に気がつかなかった。
君からの手紙を貰って、初めて知ったんだ。
君がくれた、赤いバラの花言葉は、「愛の告白」なんだよ?
知ってて送ってくれたのかな?
君はもう居ないから、その答えを聞くこともできないね。
本当にずるいよ、私がそっちに行ったら、答え、聞かせてもらうから覚悟しておいて。
代わりに私は、君が生きれなかった分まで生きて、
思い出話沢山持って行くから楽しみにしておいて。
それまで「おやすみなさい」
いかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたら幸いです




