9 銃が駄目なら、手榴弾を投げればいいじゃない
「煙とかを出して見えないようにしたら?」
最近、話し相手になってる護衛に考えを伝える。
「インターネットで見たけど、そういう……なんていうのかな。
手で投げる何かがあったんだ。
ああいうのを使ったら?」
この世界、インターネットも存在している。
ただし、使えるのはこの国の支配層くらいだが。
なお、本当にインターネットで見つけたわけではない。
偽装工作である。
ノボルの思いつきがどこから来てるのか?
そう考えた者達に不審がられないようにするために。
ささやかな悪知恵だが、独裁国家で生き抜くためにはこれくらいは必要になる。
誰がどこで何を聞いて、どういう行動をするか分からないのだから。
「他にも便利なのがあれば使えばいいんじゃないかな」
今回もインターネット情報というごまかしをしんがら護衛に提案をしていく。
彼を通じて話が伝わっていくのを見越してだ。
最悪、父親に泣きつくという手段もあるが、さすがに毎回使うわけにはいかない。
ならば、近くにいる人間から色々伝えてもらうのが一番だ。
護衛達もそこは理解してる。
一番身近にいる彼らは、最も使い勝手のいい伝令になりうる。
使いっ走りと言えばそれまでだが。
しかし、護衛達は悪い気はしてなかった。
今のところ、ノボルのいう事を伝えて何かが悪くなる事はなかったのだから。
ノボルの提案は即座に受けいれられた。
独裁者の息子なので機嫌を損ねるわけにはいかない。
だが、そうであったとしても提案そのものは悪くない。
むしろ、状況の改善になっていく。
言われたとおりに煙幕手榴弾を導入する。
これを使えば相手の目を塞ぐ事ができる。
また、それだけではなく、催涙手榴弾も導入していく。
使えば相手の体に傷を付けることなく無力化する事が出来る。
この二つが護衛達の装備として加わっていく。
それだけではない。
護衛から警察や法執行機関にも及んでいく。
そんな便利なものがあるならばと。
これが治安維持に大きな効果をもたらしていく。
独裁国家において、犯罪者の生け捕りなどさして気にされない。
必要なのは事件の終了である。
逮捕して事情を聞いて裁判をして、という手間が面倒である。
ならば、凶悪犯をその場で殺害したとした方がよっぽどよい。
だが、生け捕りが必要な場合もある。
思想的なテロリスト、反体制抵抗運動のレジスタンス。
これらは生け捕りにして情報を吐かせたい。
だが、従来の装備ではこれが難しかった。
だが、ノボルの提案で煙幕、そして催涙ガスが使えるようになった。
これならば相手を生け捕りに出来る。
治安当局は喜んで採用していった。
こうして一般の警察官にも煙幕と催涙の2種類の手榴弾が渡されていく。
これらを使って警察官は起こる事件を次々と解決していく。
なにせ、犯人に向けてこれらを使うだけでいい。
そうすれば動けなくなる。
逮捕は簡単だ。
そうして捕まえた者達から情報を吐かせていく。
独裁体制への反政府活動ならば、そのまま死ぬまで情報を吐き出させ続ける。
テロリストに人権はないから何の問題もない。
死ぬまで使い潰しいく事になる。
ただの犯罪者だったらテロリストに認定する。
裁判を行うのが面倒だからだ。
捜査と調査によってテロリストだと判明したとする方が楽である。
当然ながら人権への配慮をする必要が無いのであとの処理も楽になる。
これに加えて、さらに追加となる装備も加わった。
「散弾銃を持たせたら?」




