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20 砂漠に水をまきましょう、綺麗な水も、汚い水も

 砂浜の上に作られた蒸留水作りのための温室。

 出来上がった水は、このすぐ近くに作られたコンクリートの貯水槽に集められる。

 そこから独裁者と関係者に届けられる。



 だが、全てが流し込まれるわけではない。

 次々に作られる蒸留水施設から、やがて水道管は砂漠へと向かうようになる。



 施設から地下を通って砂漠へと向かう水道管。

 コンクリート製の土管は、人の居ない海岸沿いの地域へと向かう。

 すり鉢状の穴が掘られ、その底に水道管の出口が顔を出す。

 蒸留水の施設に直結したそこからは、水が絶えず流れ出す事となる。



 この穴には道路に使ったコンクリート板による蓋がなされていく。

 隙間はどうしても出て来るが、水の蒸発を大幅に減らす事が出来る。

 これにより、流し込まれた水は砂漠に吸い込まれる事となる。



 穴だけではない。

 間に1メートルから2メートルほどの間を置いて、コンクリート板がしかれていく。

 しみこんだ水の蒸発を少しでも抑えるためだ。

 焼け石に水かもしれないが、やらないよりはマシである。



 流し込むのは蒸留水だけではない。

 独裁者とその周囲の人間にもたらされた水。

 生活に用いられ、下水や汚水となったものも砂漠に注ぎ込まれていく。

 さすがに洗剤などの化学物質の心配はあるので、最低限の処理はする。

 だが、基本的にトイレなどに使った汚水はそのままに流し込む。

 どうせ捨てるのなら、ついでに砂漠に水を与えた方が良いだろうと。



 こうして水が流し込まれると、頃合いを見て樹木を植えていく。

 暑さに強い種を選び、少しずつ植林を進めていく。



 砂漠の緑地化が始まる。

 上手くいくかは分からない。

 成功するとしても時間がかかる。

 それでもノボルは進めていく。

 始めなければ結果は出ないのだから。



 全ての作業を生け捕りにした民主主義テロリストと犯罪組織の人間にやらせて。

 いずれも逃げられないように処置をしてから働かせている。

 過酷な労働に、一般人を使うわけにはいかないからだ。

 健全に生きて働いて、税収をおさめる財源であり財布である。

 過酷な労働で死なせるわけにはいかない。



 なにより、使い潰すのも目的である。

 生かしておくだけで危険な連中だ。

 できるならさっさと処刑したい。

 何かをしでかす前に。



 ならば、何かをする事も出来ないくらいに酷使する。

 それで死ぬならかまわない。

 願ったりかなったりである。

 だから普通の人間には危険だったり厳しい仕事を割り当てていく。

 そこで野垂れ死ぬならそれでいいのだから。

 むしろ、そこでくたばって欲しいというのが、独裁者側の本音である。



 ノボルからしてもこんな連中を許すつもりは無い。

 テロリストと犯罪者。

 どちらも悪人である。

 こんな奴らがいるから生活が脅かされる。



 前世の日本での記憶があるからなおさらだ。

 被害者は泣き寝入り。

 犯罪者は小さな刑罰で世の中に戻ってくる。

 真面目に生きてる者が馬鹿を見る。

 転生したこの世界で、この国ではそうはさせたくなかった。



 悪事には厳罰を。

 生かしておく事無く即断を。

 文字通りに身体を断ち切り、命を根絶せねばならない。



 それができる立場にノボルは生まれた。

 だから徹底するつもりでいた。

 何はなくとも俺の生活のため。

 これを脅かすあらゆる存在を許さない。

 その第一弾が、強制労働である。



 炎天下の砂漠で、休むこと無く働かせる。

 水も食事もろくにとらせずに。

 くたばるならそれで良し、その場で肥料になってもらうだけ。

 周囲への見せしめにもなる。

 統治にもってこいだ。

 人は恐怖に従属するのだから。



 そしてくたばったものは、下水や汚水がでる口の方に放り込む。

 腐敗して発酵して、やがて肥料とするために。

 持ち帰るのも面倒だ。



 こうして、蒸留された水が砂漠に。

 それと平行して、下水・汚水もまとめて砂漠に。

 それぞれの水が別の場所に流れこんでいく。

 その周囲に木々が植えられ、緑地化が進められていく。

 いつになれば実を結ぶか分からない事業が。



 それでもノボルは、砂漠に花を咲かせるべく、作った水を砂漠に送り込んでいった。

 水を求める民をあえて無視して。



 幸いな事に反発する者はほとんどいなかった。

 そういう事をする民主主義テロリストや犯罪組織の多くが壊滅していたからだ。

 それ以外の者達は、強制労働をさせられるテロリストや犯罪者への仕打ちに恐怖している。

 ああはなりたくないと、言いたいことを飲み込んだ。



 おかげで砂漠への水やりは特に大きな抵抗もなく行われていった。

 民衆の本音を押し殺したまま。


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