第85話 下積み冒険者は大群に立ち向かう1
始めに来たジャイアントアントは5体。前方に3体、後方に2体だ。
今こちらの冒険者は6人、二人一組となり、まず3体にあたる。
私はもちろんドワ子と組み、役割分けとしては私が牽制でドワ子が主力だ。さながら私が避けタンクでドワ子がアタッカーといったところだろう。せめてあと1人ヒーラーが欲しいな、と思いながら、自分のあまりのゲーム脳にふと笑ってしまった。
ドワ子より一歩前に出て刀に手をかけ、腰を落としてジャイアントアントに意識を向ける。
【躯体活性】
【一閃】
抜刀からの横凪ぎでジャイアントアントの触覚を断つ。
後ろを覗くとドワ子が頷くのが見えた。
それを確認した私は触覚を失ったジャイアントアントを残し後方のジャイアントへと向かう。
ガンと大きな音が後方でしたのでチラリと目をやるとドワ子がマスター譲りの『鎚術』で触覚を断たれ動きの悪くなったジャイアントの頭を叩き潰していた。
あれは絶対やられたくないと思いながら私は次の相手に集中する。
ちょうどいい、せっかくだし新しいアーツの試し打ちだ。
【蓮華】
袈裟切りで触覚を1本切り落とし、横凪ぎで前足を落とす、さらに横凪ぎの勢いのまま側面に位置どり前足を落として下がった頭を切り離した。
「へぇ、レジーもやる」
(うん、驚いた。レジュメ君すごかったよ)
私自身あまりにもスムーズに動けたため驚いた。
このアーツは剣速だけでなく連撃の際の移動にも補正がかかるようだ。
頼もしいアーツが手に入り、顔に笑みが浮かぶ。
辺りを見渡すと残りの3体も片付いたようだ。相手はFランク相当の魔物だけ負傷したものも出ずまずまずの滑り出しだ。
しかし、一呼吸いれる間もなく次がくる。
魔物は死ぬと魔石を残し体が霧散するのが今回は助かる。魔物の死骸が邪魔になることがないからだ。
やってくるのはジャイアントアントばかりで上位種やキラーアントはまだ出て来ない。
敵が弱いのは助かるがいつまで続くかわからない不安は確実に私たち冒険者を疲労させていくのだった。




