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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第9話 凡人はジョブを選ぶ

来たー! チートの予感がするよ。生命力と魔力に不安を感じるがレベルが上がれば大丈夫だろう。苦節30年私にも光があたるのではないだろうか。『読書』は本当にスキルかと思わずにはいられないが、『鑑定眼』と『収納』はある意味勇者セットじゃないのか?そう思いながらもドワ子を見ると純粋に可哀想な目でこちらを見ていた。

嫌な予感がしながらも尋ねてみる。


「これってどうなんですかね?」


ドワ子がゆっくりと口を動かす。


「鑑定眼は珍しいから鑑定とどう違うかは私にもわからない。鑑定は私も持っているから、わかるのはレベルが上がるまではたいした情報はわからないってことだけ、あとほぼ確実に察知されるからなかなか使いづらい」


レアスキルだが扱いづらいか、これは予想通りの結果だったが敵を知り、己を知れば、百戦危うからずと言うしな、これはコツコツ地道にいくしかない。


「収納は所持品のバッグとかにものが多く入れられることが出来るスキルらしい。高レベルになれば沢山の物を運べて商人に好まれる。でも、始めはスペースも少ししか増えなくて、自然にレベルが上がるのを待つしかない」


地味に効果は有り難いが、思っていたものと違う。地球の収納術とあまり変わりを感じない。レベルが上がって異世界クオリティになることを期待するしかない。ちなみに『アイテムボックス』もスキルであるらしく、そちらは時間の経過がない亜空間を創り出すチートスキルらしく、所持者が極端に少ないらしい。


「読書は商人で持っている人が多いけど本を読む速度が早くなったりするくらいで冒険者で手に入れた人は初めて見た」


私は我がスキル軍の貧弱さに肩を落とす。


「生命力は少ないし、魔力がない人は初めて見た。戦闘スキルも魔法スキルもなくてどうやって魔物と戦うの?商人なの?」


私が聞きたい。

やはり私の時代など来ていなかったらしい。


ちなみに一般的な生命力と魔力は村人でも生命力10、魔力5、見習い冒険者で生命力20、魔力10はあるらしく、生命力はゲームで言うHpのようなもので、なくなると死んでしまうというもので、魔力はMpのようなものであり、多いほど魔力を用いた魔法やスキルを多く使えるらしい。この世界では身体強化は魔力を使用して行う『魔力操作』スキルの一部で行うため前衛も魔力が必要らしい。


ふふっ、別にいいじゃないか、もとから凡人だったんだ、魔物を倒すことでレベルを上げて生命力や魔力は上げていけるらしい。一歩ずつやっていこう。

それに先ほどドワ子から聞き出したギルドの説明の中に私は光明を見いだしていた。


「冒険者は取得したスキルをもとにしたジョブっていうのにつけられる。そうしたら補正を受けてそのスキルのレベルが上がりやすくなる。有料だけど、つける?」


なるほど、これがタグのもう1つ突っ込みたいと思っていた無職か。せめてジョブなしとかノージョブって表記しておいてくれよ、三十路の独身男性に対してその言葉は受け入れがたい。


さて、わたしの場合だと鑑定士、収納士、読書家か、せめて少しでも成長速度くらいはあげておきたい。

どれも微妙な感じがするが、せめて『鑑定眼』のレベル上げて使えるようになれば魔物に勝てるかどうかの目安になるだろう。


「ジョブは設定後の変更も出来るのですか?」


「ギルドでいつでも変更できる。費用は1回1万ダラ」


「じゃあお願いします、鑑定眼を使ったジョブにして下さい」


ドワ子が青みがかった不思議な光沢の石を持ってきた。


「このジョブストーンを握って、スキル名を思い浮かべて」


石を握りしめ、目を閉じ、深呼吸して、『鑑定眼』と思い浮かべる。


そこで急に握っていた石が砕け粉々になり、床に落ちるまでに消えてしまった。


・ジョブシステムを解放しました

・ジョブを獲得しました


「無事ジョブ取得おめでとう、これで冒険者登録は終了」


ドワ子が初めて笑顔を見せてくれた気がする。


「書き替えるからタグを貸して」


「あ、はい」


ドワ子から返されたタグをを見る。




レジュメ 人族 30才 男

・魔眼使い(鑑定)

・Gランク

・ワイルドラビットクラス

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