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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第45話 駆け出し冒険者は黒髪美人に助けられる

何が起きたのかわからない。突然ウルフの頭が弾け飛び、私はウルフのいろんな体液を浴びることになった。


驚きのあまり顔を拭うのも忘れ固まっていると草原の方向から人影が現れ、瞬く間にウルフを葬り去る。拳で1匹をすかさず打ち抜き、瞬時に移動して、もう1匹に蹴りを放っていた。どちらも一撃で、当たった瞬間にウルフは爆散していた。



助かった。そう実感したとたんに足から力が抜けてしまい地面に腰を下ろす。


(助かったね。冒険者だろうけど何者なんだろう)


絶体絶命の状態で遠距離から私の危険を察知し、眼前のウルフを屠り、瞬く間に残りのウルフまで片付けてしまう。並みの冒険者ではないだろう。しかし、誰でもいい、助けてもらったのが全てだ。あのままでは私は死に、ディクトも下手したら命を落としていただろう。



助けてくれた冒険者を改めて確認する。


改めて見てみると『格闘術』を使っていたので男性だとばかり思っていたのに実際には黒髪ショートの美人さんの姿がそこにはあった。

整った綺麗な顔立ちでショートカットがよく似合っており、黒髪の間から見える耳が尖っているように見えるのでエルフなのではないかと思われる。服装は紺色の道着のような物を着ており彼女胸元のギルドタグを見ると距離があって詳細は見えないが金の装飾が入っている、初めて見るAランク冒険者だ。


「すまないな、助けるのが遅くなってしまった」


そう言いながら私の傷に手をかざす。


「【ヒール】」


美人さんの手のひらが淡く光を放ち傷が塞がる。


初めて目の前で生の回復魔法を見た。遠くで冒険者が使っていた攻撃魔法のは見たときも感動したが、光を受け、傷が修復していくところを見るとまたちがった感動を受ける。


「傷を塞いで生命力は回復させたが流れた血は戻ってないから安静にしておいた方がいい」


そう言われ、そこでようやく私は何も口を開いていないことに気付き慌てて答える。


「すいません、ありがとうございました。危うく殺される所でした。貴方は命の恩人です。私はレジュメと言います」



「気にしなくていい、間に合ってよかった。私はツバキ、通りすがりの冒険者だよ」


これが私の師匠となるツバキとの初めての出会いであった。

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