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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第28話 駆け出し冒険者はジャイアントラットに挑む

翌日からもスライム討伐を数日こなし、慣れを感じ始めたので対象を移行する。朝食を食べ、準備を整え、ジャイアントラットの討伐を目標に村を出る。


 マスターに聞いていたように南に向けて歩いて行くと景色が次第に草原から砂地へと変わっていき、遠目でみると砂山にいくつもの巣穴が出来ており、そこからネズミが数匹ちらちら顔を出しているのが見える。


 複数と戦うことは避けたいため他とは少し離れている巣穴に少しずつ警戒しながら近付く。

 剣を抜き、じっと観察を続けているとジャイアントラットがちらっと顔を出す。

 そこに『鑑定眼』をかけることでこちらを気付かせる。


 ・ジャイアントラット


 スキルを受けたジャイアントラットはこちらに気付き、すっと顔をこちらに向けて、一気に私のところまで走ってくる。


 (ディクト、メモ、ジャイアントラット、Gランク、体長0.8メートル、体高0.4メートル、特徴、敏捷性が高い)


 本当に大きいなと当たり前のことを思いながら下段待ちで間合いに入るのを待つ。

 じっと待ち構え、入った瞬間横薙ぎにする。


 ジャイアントラットはギリギリでサイドステップでかわし、私の振り切った左腕に噛みつこうとしてきた。


 思った以上に早いな。私の素の刀技ではまだ当てるのが難しそうだと判断する。


 剣で切り返す余裕はなく、左手を剣から離し、すかさず腕を引いて革の籠手で受ける。


 ジャイアントラットが籠手に噛みついたが幸い籠手を貫通することはなかったので噛まれてまま左腕を伸ばし、持ち上げて、片手で袈裟斬りにする。


 じゅ! 斬られたジャイアントラットが鳴き声をあげる。


 距離が近かったため上手く斬ることは出来なかったが傷付けることに成功し、ジャイアントラットの返り血が飛び散る。


 ジャイアントラットは流石に切り傷を負い、籠手から歯を外し、地面に落ちた。体勢をすぐに立て直すが、怪我を負い、出血のためか動きが鈍っていたため、逆袈裟で切り殺すことができた。


 (噛みつきはもスキルかアーツだろうか、噛みついたら持ち上げても離さなかったからそういう効果もあるかもな、1匹なら問題ないが2匹以上は危ないな)


 (今回は怪我もなくてよかったよ)


 (返り血だらけだけどな)


 今回はネズミだったため少なくない返り血を浴びた。服の血抜きをどうしようと悩んでいたら、ジャイアントラットが魔石を残して地面に溶けていくのに合わせて、返り血や剣に付いた血や脂も霧散した。正直あのままでは着替えが何着あっても足りないし、剣の手入れも必要になるので助かった。



 思った以上に動物型の魔物を殺して血を浴びたのは精神的に堪えた。人型の魔物の時はこの比ではないのだろうか。慣れていかなければ、切実にそう思った。



 ディクト魔物図鑑

 No.2

 ジャイアントラット Gランク

  特徴

   体長0.8m、体高0.4m

   巨大化したネズミ、敏捷性が高い、複数でいる場合も多いため注意

  スキル・アーツ

   『噛みつき』……至近距離から歯を使って標的に噛みつき食いついた標的を放さない、噛みちぎるか攻撃を受けると放す

  耐性・弱点

   不明

  出現エリア

   第3開拓村南方砂地地帯表層

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