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EP5 俺、ゾンビを使い魔にします。その7

「う、赤い光!? ヤベェな。このカードを引いちまったってことは、もしかしてメリッサは……。」


「ウウウウ、ウガアアアアッ!」


「ヒ、ヒイイイッ! なんかヤバい雰囲気だぞ、おいィィ!」


 うわ、案の定ってヤツだぜ!


 使い魔強化用カードデッキの中から引き抜いた<狂化>のカードから、ズギュウウンと赤い光の奔流が飛び出し、それがメリッサの身体を包み込んだ刹那――彼女の理性がぶっ飛ぶ!


 その証とばかり、彼女の両目は真っ赤に充血し、ボッと髪の毛が怒髪天を衝くとばかりの逆立ちオマケの口からは、猫科の猛獣を連想させる二本の犬歯が見え隠れしている!


「な、なんだ! な、何が起きているんだっ……ぐふっ!」


 え、何が起きたんだ!?


 あまりにも早くて見えなかったんですけど……。


 だけど、これだけはわかる!


 理性がぶっ飛んだメリッサが、眼にも留まらぬ神速の体当たりをミネルに対し、ぶちかましたことだけは――。


「ちょ、理性がぶっ飛んだってことは、真のゾンビになったってこと?」


「じゃあ、あのミネルって女を食べちまうとか!?」


「わああ、それはマジっすか!」


「まあ、ゾンビだしなぁ……。」


「はうっ! アルェ~……私は一体、何を?」


 むう、理性がぶっ飛んだのは、一分かそこらというわずかな時間ってところか!?


 とにかく、メリッサは理性を取り戻す。


 んで、自分の身に何が起きたのか、さっぱりわかっていない様子だ。


「ああ、ミネルさん!」


「理性がぶっ飛んだお前が体当たりをぶちかましたみたいだ。」


「え、そうなんですか!? うーん、理性がぶっ飛んだとはいえ、私って実はすげぇ~! あああ、そんなことより、ミネルさんは無事なのかなぁ……。」


「まったく動かないな。どれどれ……わ、死んでる!」


「ヒュー! マジで死んでる!」


「うえええ、右腕が引き千切れているっす!」


「おいおい、お前、いつの間に、あの女の右腕をもぎ取ったんだよ!」


「え、えええーっ!! わあ、これはミネルさんの右腕じゃないですか!」


 理性がぶっ飛んだ状態のメリッサ――狂戦屍鬼(バーサーカーゾンビ)と名付けておこう。


 と、そんな狂戦屍鬼状態にほんのわずかとはいえ変身したメリッサの体当たりを食らった挙句、右腕をもぎ取ったようだ……い、いつの間に!?


 それが死因だったのかな!?


 とにかく、ミネルは血溜まりの中で息絶えている。


「はわわわっ! ど、どうしましょう! どうしましょう!」


「うむ、このままにしておくわけにはいかないよな。」


「た、確かに……。」


「ま、不味いです! 超不味いです! ミネルさんはマーテル王国の現国王であるアルゴニウス七世陛下の従弟のアテルス侯爵の奥様の妹君の娘で……と、とにかく、大貴族の出身者なのです!」


「わお、そんな奴を殺したことになるのか! た、大変なことになりそうだな、おい……。」


 へ、へえ、ミネルって女って、何気にお偉い家柄の娘だったワケね。


 じゃあ、不味いな、このままにしておくと……。


「よし、このゾンビにしよう。」


「ブ、ブックス……マジで!?」


「うむ、材料ならたくさんあるぞ。フレイヤの使い魔の猫獣人達が大量に集めてきたからな。」


「「「ニャーッ!!」」」


 ええと、即席のゾンビをつくることができる薬の材料とは、髑髏茸、死臭茸、毒蛾草、それに魔界樹の葉っぱだっけ!?


 むう、なんだかんだと、あの薬をまたつくる必要がありそうだな。


 よ、よし、またつくってみるか! 

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