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EP4 俺、死霊魔術を使います。その5

「よし、材料はそろったな。すり鉢とすりこぎ棒を用意するんだ。」


「それならすでに! もしかしてすり潰すんすか、ブックスさん?」


「うむ! 早速やってくれ! 時間がないからな。」


「お、おう……し、しかし、くせぇな!」


「うむ、我慢するんだ。ああ、魔界樹の葉っぱに見受けられる目玉が潰れると、これまたトンでもない刺激臭が発生するから気をつけるんだ。」


「そ、それを早く言えよ! うう、しばらく息を吸わないでおこう……。」


 髑髏茸、死臭茸、毒蛾草、魔界樹の葉を早速、俺はすり鉢の中に放り込む。


 そして、すりこぎ棒でゴリゴリと……う、耐え難い悪臭が発生する!


 死臭茸が発する生き物の死骸から発生する腐敗臭のような悪臭、それに魔界樹の真っ黒な葉っぱに見受けられる目玉が潰れた時に発生する悪臭が相まってトンでもない刺激臭がっ!


 い、息を止めなくちゃ気絶してしまいそうだ! ががが、頑張るんだ、俺――っ!


「ぷ、ぷはーっ! もう我慢できん!」


「ふむ、上出来だ。もうすり潰さなくてもいいぞ、キョウ。」


「お、おう!」


「それじゃ、ヤスに用意させた水を半分ほど入れてあるコップの中にすり潰したモノを放り込むんだ。そして水と混ぜれば完成だ。」


「あ、ああ、水と混ぜればいいんだな? 丁度いいところに折れた細い枝が……ふ、ふう、これでいいのか?」


「お、刺激臭がしなくなったぞ。」


「水と混ぜたせいかな?」


 水と混ぜたせいかはわからないけど、耐え難い刺激臭がしなくなったぞ。


 ふうう、これで大きく深呼吸ができるぜ。


「では、そのコップの中身をメリッサの口の中に注ぎ込むんだ。」


「それは俺にやらせてくれ。ホントにゾンビになるか、ずっと気になっていたんだ!」


「お、おい、遊びじゃないんだぜ……。」


「わかってらぁ! んじゃ、早速、死体(コイツ)の口ん中に!」


 ホントにお遊びじゃないってことをフレイヤはわかっているんだろうか?


 と、そんなフレイヤはハイテンションな感じで髑髏茸、死臭茸、毒蛾草、魔界樹の葉をすり潰したモノと水を混ぜた物体の入ったコップを物言わぬ屍と化したメリッサの口を開けると、勢いよく喉の奥へと流し込む。


「これでよし!」


「だが、何も起きないぞ?」


「まあ、見ているんだ。時期に〝効果〟が現れてくるはずだ。」


「ん、なんだぁ、この鼓動は!? 心臓の音? ドクン、ドクンって、すげぇ響いている!」


「おい、死体がマジで動き出したぞ! ぎゃああああ、ゾンビだァァァ~~~!」


「ううう、苦しいぞ、おい……お、俺はその無駄にでかい胸に圧殺する気かよ!」


 ぐぬぬぬ、いきなりテンションダウンかよ!


 フレイヤは死体が動き出した途端、悲鳴を張りあげながら、俺に抱きついてくる。


「うっわ、不味いィィィ!! おえええええっ!」


「うわぁ、元気なゾンビだなぁ! 悲鳴をあげながら飛び跳ねているし……。」


「うむ、死後一時間以内の新鮮なゾンビだからな。脳や筋肉に異常がない証拠だ。」


 ヒュー……まさかホントに蘇るなんて!


 とにかく、ほんの数秒前まではモノを言わぬ屍であったメリッサがゾンビとなって復活する。

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