EP3 俺、魔法の薬を作成します。その4
「むう、この気配は!?」
「わああ、本が喋った!」
「ひゃあ、おヒゲのおじさんの顔が表紙に!?」
「初めまして、私の名はブックス。こう見えても由緒正しき魔道書で……おっと、それはともかく、君達は余計な輩までディアナスの樹海へ連れて来てしまったようだ。」
「アイツら、まるで追跡者だな!」
「仕方がないわ。私達は数多くの容疑者のひとりだしね。」
「おい、誰だよ。その追跡者って……。」
「ネメシス騎士団だ!」
「エフェポスの村で出逢ったミネルって女が率いていた?」
ネメシス騎士団といえば、エフェポスの村で出逢ったミネルって女騎士と、その仲間達だっけ?
その前に連中は何者なのやら……よし、訊いてみよう。
「ネメシス騎士団って何者なんだ?」
「ああ、アイツらはマーテル王国に属する治安維持を目的とした組織さ。」
「治安維持を目的とした組織……警察みたいなもんか?」
ネメシス騎士団って連中は、俺が元いた世界の警察のような存在のようだ。
やれやれ、面倒くさい奴らの目をつけられたもんだなぁ、フレイヤとフレイは――。
「アイツらはずっと俺達を疑っているんだ。」
「うんうん、王家の墓を荒らし、オマケにエリス姫の遺体を盗んだ死体愛好症な犯人は別にいるのに……。」
「「「うっ……。」」」
真犯人なら、ここにいますよー!
そう言いたいけど、口を紡いでおこう。
てか、中身は違うけど、エリス姫は生き返りました!
んで、お前たちの目の前にいる俺が、そんなエリス姫だよ――と、思わず言いそうになっちまったぜ。
「ん、戸を叩く音が聞こえてきたっす!」
「来たな、ネメシス騎士団!」
ガンガンガンとアジトの出入り口の扉を叩く音が聞こえてくる。
フレイヤとフレイを追跡してきたネメシス騎士団が、ここへやって来たのか!?
「まったく、鬱陶しい奴らだぜ。さて、そんなワケだ。しばらく匿ってくれ!」
「お、おう!」
「てか、イイことを思いついたぞ! みんなコイツを飲め! ブラッディガーベラのエキスを増加させてみたから、最低でも三分は姿を消していられる……かもしれない!」
俺は作り置きしておいたインビジブルパウダーに、急遽、作成に必要な材料のひとつであるブラッデュガーベラのエキスを追加しておくのだった。
ブックスの31ページに記された文言によると、ブラッデュガーベラのエキスをさらに十滴加えることで姿を消していられる時間が持続されるとか――。
とはいえ、〝ある材料〟が不足しているというワケで姿を消していられる時間は、約三分が現界のようだ。




