表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
82/83

もふもふ少女の忘れないで

「……どうですか?」

「うん、後は寝ていれば大丈夫よ」

 かなみさんに薬を飲ませ、これで一件落着だ。

「ありがとうございます、先輩」

 笑顔を見せるかなみさんには少し疲れが見える。

「もうお礼はいいから、寝とけ」

「……はい」

 かなみさんが寝息を立てたところでみやさんが立ち上がる。

「じゃ、和樹くん。少しよろしくね」

「え?」

「買い物よ、食材がギリギリだわ」

「あ、はい。いってらっしゃい」

 みやさんが出て行き……部屋には俺と寝ているかなみさんのみ。

「…………」

 耐えられない。タオルの水でも替えてこよう。

 ついでに顔に水をつける。顔が火照って仕方ない。

「……ふう」

 かなみさんの部屋に戻り、タオルを少し絞って載せる。まだ少し熱があるみたいだな……

「せん……ぱい?」

 かなみさんが薄っすらと目を開ける。

「あ、ごめん。起こしたか」

「せんぱーい」

「うおっ」

 かなみさんが俺の手を掴む、もしかして寝ぼけてる?

「せんぱい……好きです」

「え?」

「好きですよ、和樹せんぱい……」

 え? は?

「ちょ、かなみさん」

 俺が呼びかけるとかなみさんの目が完全に開いた。

「せ、先輩!?」

 かなみさんは勢いよく起き上がり、慌てるように両手を振る。

「や、今のは違うくて、寝ぼけてて、忘れて……」

 ここまで言ってかなみさんは口を閉じる。顔をりんごのように赤らめ、少し下を向いた後……俺の方を真っ直ぐ見る。

「あ、その……忘れないでください」

「……え?」

 それって……

「好きです、私、和樹先輩の事が好きです」

「え、あ……」

 頭が真っ白だ。え? 今、俺はかなみさんに告白されたのか?

「その、先輩……答えを……」

 かなみさんの声で思考が戻る。そうだ、返事をしなきゃ。

「その、なんだ……俺のアレも、忘れないでくれ」

「……アレ?」

「その、えぞきちさんの葬式の時に明里さんに質問された……」

「あ……」

 かなみさんも思い出したようだ。ほぼ告白だったあの発言を。

 ついに伝わった、ついに言えた。

 こうして、俺とかなみさんは恋仲となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ