もふもふ少女に尽くす理由
「あざや君? どうかした?」
「はい、実は……」
俺はかなみさんを思っている事を除いて、あざや君との出来事を全て話した。
黙って聞いていた仁斗さんは缶コーヒーを飲み干して勢いよく机に置く。
「……それは本当か?」
「は、はい」
なんとなく親しみやすいと思っていたのが一気に消えた。なんだか怖い。
「……和樹君、君はどうしてそこまでしたんだ」
「……え?」
「あざや君から話しかけてきたのはまあ分かる。しかし最後には君は自分を使ってまであざや君を挑発した」
仁斗さんは二本目の缶コーヒーを飲んで真っ直ぐと俺を見て言った。
「普通、そこまでする必要は無いだろう?」
「…………」
思わず目を逸らす。どうする、言うのか? 俺の本心を。
しかし相手は父親だぞ……いやでも……
「俺は……」
逸らした目を戻す。俺は仁斗さんを真っ直ぐと見返して言う
「俺は……かなみさんが好きなんです」
目が細くなった仁斗さんが声を出す前に俺は続ける
「でも、俺が好きだからあざや君を探ったわけじゃありません。あざや君といてもかなみさんは幸せになれない、そう思ったから……」
「もういい」
仁斗さんは二本の缶をゴミ箱に投げ捨てて立ち上がる。
「君の気持ちはよく分かった。でもオレは君を全面的に信用する事は出来ない……あざや君も呼ばせて貰うよ」
「……はい」
かなみさんの幸せの為……全面対決だ、あざや君!




