もふもふ少女の人払い
「あざや君……」
かなみさんをつけているあざや君をつけ始めて数時間。
買い物中にかなみさんがたまたまクラスメイトの男子とあって話している時、あざや君は伸二の時と同じような事をして男子を追い払った。
へんな虫がつく前に追い払っているということだ。
それでもまだあざや君の本性を信じられない俺は最後の手段にでた。
「……かなみさん」
「あ、先輩!」
バレないようにちらりとあざや君を見る。うわ、睨まれてる。
「先輩、こんなところでどうしたんですか?」
「ああ、ちょっと買い物があってね……」
背後から視線を感じながらかなみさんと他愛ない話をする。
「じゃ、そろそろ俺行くわ」
「はい、ではまた」
かなみさんに手を振って歩く。さあ、どうくる。
「和樹先輩」
「……ん?」
いつもと違うトーンの声に何気ないように振り向く
「ああ、あざや君。どうしたの」
「どうしたの、じゃ無いですよ」
あざや君が大股で近づいてきて……
「うっ……」
俺の腹に拳を入れた。
「あざや……くん?」
「先輩、言いましたよね。かなみさんに近づかないようにと」
腹の痛みに耐えながら俺はあざや君を真っ直ぐ見る。
「ただ普通に話していただけだ」
「それも駄目だとわかりませんか」
「でもそれじゃあかなみさんに自由が……」
言い終わる前にまた腹に拳が入る
ジワジワと残る痛みに声が出ない俺を睨みながらあざや君は言った。
「かなみさんは僕の許嫁、もう僕の物なんですから口出ししないでください」
「かなみさんは物じゃねぇぞ!」
痛みはおさまっていないが俺はあざや君に叫ぶ。
「物じゃなくとも僕の物です。どうしようと僕の勝手です」
あざや君は溜息をついて
「次やったら……かなみさんに近づけないようにしてやりますよ」
と言って去って言った。




