もふもふ少女に対する決意
「伸二よ! 俺は決めたぞ!」
あざや君が現れた翌日の登校中、伸二を見つけた俺はそう宣言した。
「へえ、そっか」
いや、聞けよ
「かなみさんがあざや君を選ぼうと俺は応援する」
「……誰だそいつ」
ああ、この野郎昨日電話切ったから知らないのか。
「転校生でかなみさんの許婚」
「へえ……で?」
「ん?」
伸二がわざとらしく溜息をつく
「野代さんがその許婚を選ぶかはどうやって判断するんだ?」
「いや、今日の放課後にでもさり気なく聞いてみようかと」
「さり気なくね……」
伸二は少し黙ってから続ける
「昨日の今日じゃ野代さんも決めれないんじゃないか?」
「……うむ」
一理ある。確かにそうだ。
「なら少し待とう」
「もうすぐ夏休みだけどな」
確かに……ならば
「伸二、夏休みに海に」
「却下、どうせ前の花見と同じ作戦だろ」
「…………」
俺の思考はそんなに読みやすいだろうか?
他の作戦を考えていると後ろから声をかけられた
「おはようございます、先輩」
「おう、おはよう」
かなみさんである。そして……
「どうも、和樹先輩」
あざや君だ。
「あれ? そちらの方は」
「ああ、伸二」
「伸二先輩ですか、よろしくお願いします」
「ん、よろしく」
あざや君は携帯で時間を確認すると
「じゃあ転校関係の事で職員室に用事があるので行きますね」
「え、あ、一人で走れるから」
と言ってかなみさんの手を引いて走っていった。
二人が人混みに紛れたところで伸二が俺の肩に手を置いた。
「……和樹」
「ん?」
「とりあえず顔では負けたな」
……うるせぇ。




