もふもふ少女からの大打撃
「……ん?」
今かなみさんは何と言った? いいな漬け? へえ、そんな漬物があるのか俺も食べてみたいな
うん、違うな。そんな漬物は知らん。
「かなみさん、今なんて?」
「許婚が……」
「許婚!?」
叫んで立ち上がって机を叩く。周りからの白い目を感じて座る。
「…………」
落ちつく為にジュースを一気飲み……うわ、炭酸キツい。
一緒に口に入ってきた氷を噛み砕き口を拭う。
心の中で深呼吸……よし、落ちついた。
「ごめんかなみさん、続けて」
「は、はい」
かなみさんはココアを一口飲んで。
「私のお父さんは今、日本中を旅してるんです」
「……旅?」
放浪か?
「はい、実は私とお母さん……簡単に言うと人間と狸の合いの子についてはまだ色々とわからない事があるんです」
まあ、そうだろう。かなみさんと出会うまでそんな話は聞いた事も無かった。
「だからお父さんは私の親戚以外の合いの子を探しに行ったんです」
「帰ってくるって事は見つかったの?」
かなみさんは頷く
「それでお父さんがその人を連れてくるんですけど……」
かなみさんが一瞬言い淀んで俺がごくりと唾を飲む。
出来る事なら聞きたく無い。精神衛生上よろしくない。
「お父さんがその子を許婚に決めたって」
「ぐふっ……」
駄目だ、ダメージが強い。いやいや、そんな場合じゃない。
「許婚って……そんな簡単に決まるものなのか?」
「相手側も速決だったみたいです」
「そ、そうか」
なんとまあ思い切った人達だこと
「それで……その」
かなみさんは身を乗り出して
「私はどうすればいいんですか!」
と、聞いてきた。
「いや……」
俺に聞かれても……今俺の心はズタボロよ
「あ、すいません……でもこんな事相談出来るのは先輩ぐらいで」
「た、頼ってくれるのは嬉しいよ」
やっぱり先輩止まりなのかなぁ……
俺は更にダメージを負いながら答えた。
「その……かなみさんがよければいいんじゃないかな、うん」
「え……」
「えっと、かなみさん次第……かな」
「そう……ですよね、すいません、時間取って貰って」
「いや、大丈夫だ」
心は全く大丈夫では無いがな……




