もふもふ少女と気まずい空気
「今日はありがとな」
「お礼とか言うな気持ち悪い……お前太った?」
「腹が苦しい」
歩くたびに腹がチャポチャポと音を鳴らす。いくらドリンクバーとは言え飲み過ぎたか
「自転車キツい……」
「自業自得だ」
自転車で少し走った所で伸二が思い出したように口を開く
「そういやお前、勧祭の手伝いはどんな感じだ?」
「ん? ああ、勧誘祭ね」
勧誘祭は俺達の学校で毎年春に行われる部活勧誘会の事だ。新一年生を体育館や各場所に集めて、それぞれの部活が紹介とパフォーマンスをする。言わば部活紹介だ。
通常部活に入って無い生徒は午前授業で終わるのだが、俺はクラスから勧誘祭の手伝いに指名されてしまったのだ。
簡単に言うとじゃんけんで負けた。
そんな勧誘祭なんだけど……
「何でお前が気にするんだ? お前部活入って無いだろ?」
伸二は面倒そうに
「俺は関わらないが姉貴が関わる」
「……?」
「まあ、そのうち分かるさ」
「お、おう」
どういう事だ?
*
その疑問は水曜日の勧誘祭運営会議にて吹っ飛んだ。解決はしていない
「あ、先輩」
「え、かなみさん」
会議にかなみさんがいたのだ。
「その、私もじゃんけんに負けまして」
「そ、そうか」
少しの沈黙。
「三年はあっちか、じゃ、じゃあ」
「あ、はい」
何もできなかった。この前断られた事がまだ突き刺さっている。
かなみさんと一緒の作業ができるのは嬉しいけど……複雑だ。
「えー、今回の勧誘祭につきましては」
生徒会が司会をして会議が始まる。しかし殆どがじゃんけんで負けた人、案も出るわけが無く例年通りに進む事となった。
「やっぱりいつも通りだったな」
会議が終わり、内心ドキドキしながらかなみさんに話しかける
「ひゃっ……そ、そうですね」
かなみさんが俺の方を一回見てから目を逸らす。
いや、まだめげない!
「よかったらこの後一緒に……」
「その、用事がありますので!」
かなみさんは走って行った。
「……あれ?」
俺、避けられてる?




