↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神と共に、相談を!  作者: 沢谷 暖日
仲良し少女の恋愛相談

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/83

死ぬほどの覚悟?

 ウキウキ気分で開けた部室のドア。

 だけれどそこには。


「……あれ?」


 がらんしていて、寂しくて。

 つまり誰もいなかった。


 教室の隅に目をやって。

 美結ちゃんのカバンがないことを確認する。

 帰ってしまったようだ、と確信した。


 次に目に入ったのは、机の上の……。

 あれは……封筒?

 それと、紙切れのようなものが丁寧に揃えて置かれていた。


 机上に向かい、紙切れには文字が書いてあるということに気付く。

 書き置きのようだった。


『遅いので帰るね! それと、この封筒は私が好きな人宛に書いた手紙なんだけど、よければ読んで! 悪いところが無ければ私に教えて欲しい!』


 と、割と大きめの紙に不釣り合いな小さな丸い文字で、そう書かれていた。


 同時に若干の罪悪感を覚えてしまう。

 罪悪感というか、これは完全に私が悪い。

 心音との時間に多くを使いすぎた。

 もう日も沈みそうな時間だし。


 思いながらも、私は置かれている封筒を手に取った。

 部屋の電気をパチンと付けて、カーテンを閉め。

 椅子に座って、傷一つない綺麗な封筒を眺める。


「ふーむふむ」


 これが。美結ちゃんのラブレターか。

 これの悪い場所を私が添削する感じね。

 私は特に悪びれも無く中に入っている便箋を取り出した。


 いかにも女の子な可愛い模様が入っていて、肝心の内容も結構書かれている。

 これって、美結ちゃんのかなりプライベートな部分を覗くことになるのではないかと少し不安にはなったが、これは美結ちゃんが頼んだことで、むしろ私が読まないのはそれこそ失礼というものではないかと。そう思案し。

 私は、目を通した。


『急にこんなお手紙を出してごめんね』


 出だしは、かなり丁寧だ。


『それで、急なお願いがあるんだけどね。私と付き合って欲しいの』


 ……。

 こういうラブレターは今まで何度か見たことはあったが。

 何度見ても、なぜか自分までも恥ずかしくなってしまう。


『何でって言われても仕方がないと思うけど、前々からあなたのことは好きで、ずっと付き合いたいなって思っていて。女同士って変? じゃなかったら付き合って欲しい、お願い』


 そこからは、思い出話が描かれていて。

 美結ちゃんが想い人への好きになる過程が熱く語られていた。

 そして前から抱いていた想いを、ついに告げることにしたと。

 そういう内容のことが書かれていた。


 遂には、最後の文章まで辿り着き、


『振られたら、私。死ぬかも。それくらいの想いなの。だから、この想いを受け取ってくれるなら、私のところまで持ってきて』


 そこで手紙は締めくくられていた。

 死ぬ……って、そんなのは多分、嘘……だよね?

 ただそれほどの想いだってことを伝えたいだけであって。


 それにこれは、もう添削の余地がない。

 と言うよりも美結ちゃんが書いた手紙なのだ。

 添削をするというのは、そもそもが間違っているのかもしれない。

 明日、学校に来た時にそのまま返してあげよう。

 告白の成功の有無に問わず、想いを伝えるというのは大切なことだ。

 私からも、しっかり美結ちゃんのことを応援してあげないと。


「よし……」


 何かを意気込んだかのように呟きを漏らした私は、椅子から立ち上がり、便箋を綺麗にたたんで封筒の中にしまい、それを私のカバンに入れた。


 部室内の後片付けを雑に行い、戸締り確認、忘れ物も無し。

 そして部室を後にする。


 少し駆け足になっているのは、心音とのキスが私を待っているから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新待ってました〜!!!!おかえりなさい(*´艸`)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。