↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神と共に、相談を!  作者: 沢谷 暖日
恋する乙女の恋愛相談

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/83

尾行特有の隠れんぼしている時のようなアレ

 遊園地のゲートから数十メートル離れた、一際大きな木の陰。

 その場所に身を隠し、入り口側をひょっこりと覗く。

 私が前、両肩を掴む天崎さんが後ろ。

 はたから見たらこの状況は変だろう。

 ……実際、横を通り過ぎる人たちから変な視線をくらっている。


 痛い視線と、心臓の鼓動が混合して。なんか辛い。

 そんな状態で五分くらい待機したのち。


「……見つけた」


 私たちの逆方向から歩いてくる見慣れた人影。

 楓花(ふうか)桃杏(もあ)ちゃんだ。

 何かお喋りしながら、チケットセンターへと歩いていく二人。

 二人とも笑っていて、その手は繋がれていた。


「……仲は普通にいいんだよね。あの二人」


 なんて少し意外に思いつつ。

 チケット購入を済ましたらしい二人を、離れたところから追う。

 なぜか天崎さんはずっと私の肩を掴んでおり、これじゃまるで電車ごっこをする子供のようだけど、とりあえずそっとしておく。


 別に重いわけでもない。

 普段なに食ってんだってくらい、重さはさほど感じなかった。

 強いて言うなら、そこにあるのは違和感だけ。


「よし。ゆっくりとついてこう」


 聞こえるわけでもない言葉を独り言のように吐き、私はゆっくりと体を動かす。

 入場券だけは今程に買ったので、とりあえずバレないように背中を見守る。


 そろりそろり。

 そういう風に追っていくうちに。

 身体がなぜか、ゾクゾクと震える。

 お手洗いに行きたくなるような、何かがこみ上げてくる、そんな感じだ。


 そんな時、その震えとリンクするように、ポケットのスマホも震えた。


 気づけば、肩から片方の手が消えている。

 これは天崎さんが何か送ってきたな、と。

 前方の二人に注意を向けつつ、私はスマホを取り出し見る。


『伊奈さん! 今、身体を震わせてましたよね? それが、尾行特有の隠れんぼしている時のようなアレです!』


 なるほど。

 と。そう、妙な納得をしてしまう。

 そのまま『なるほど』と返信して、ラインを閉じようと──。


「あ……」


 気づく。

 天崎さんの他にもう一人。

 桃杏ちゃんからも何か届いていた。

 それが届いていた時刻は現在から三十分ほど前。

 それを開いてみると。


『頑張ってきます! 告白できるか分からないですけど……。まぁ、いい感じになったらそうしてみようかなって。健闘を祈っといてください、お姉さん!』


 『健闘を祈っといてください』が、上からなのが少し引っかかる。

 が、これを送った桃杏ちゃんの心の中は、きっと楓花への重なる想いでいっぱいいっぱいだったのだと思う。


 だから、ここは普通に。

 応援の意味をたくさんに込めて。


『頑張って!』


 ……。

 いや。


『くれぐれも、変なことはしないように、お願い』


 昨日の天崎さんとのやりとりがふと頭をよぎったので。

 そう。付け足しておいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。