釣り
釣り
大昔から
人類が食料を得るために
培った知恵と技量
ここまでやり方が変わらない手法も珍しい
なにより
あいつらが学習しない
魚たちはエサがあれば食いつく
針にかかって釣り上げられる
対策もしなければ我慢もできない
愚鈍な生き物だーー
そんなことを後輩に言いながら
今日も俺は釣りにいそしむ
…今日は調子が悪い
後輩はどんどん釣れるのに
俺にはかかりもしない
しかもあいつ
釣った魚を海に返してやがる
かわいそう?
食べられない?
じゃあなんで釣りなんかしてんだよ
ボケーっと海を眺めていると
なにかカラフルな
とても、カラフルな服を着た人が浮いている
うつ伏せで
泳いでいるようには見えない
誰かが溺れている
咄嗟に、助けなきゃとーー
気付けば俺は水面に飛び込み
そいつの元へ泳いでいく
肩を揺らしても反応がない
声をかけてもピクリともしない
とりあえず抱き抱えて陸に行こう
そう思い、腰に手を回すとーー
糸のようなものが
腰にくくりつけられている
それに気付いた瞬間
そいつの腕が俺の腰に絡みついた
腕を
足を
俺の体にまとわりつかせ
ニヤリと不気味な笑顔を見せる
俺は抵抗する間も無く
水底まで引きずり込まれたーー
大昔から
人類が食料を得るために
培った知恵と技量
ここまでやり方が変わらない手法も珍しい
なにより
あいつらが学習しない
魚たちはエサがあれば食いつく
針にかかって釣り上げられる
対策もしなければ我慢もできない
愚鈍な生き物だーー
そんなことを僕の先輩が言ってたんだよ
魚はアホだのバカだの
でもそんなわけないよね?
さすがに魚も学習するよ
釣り針に近づかないのはもちろん
釣られる側って立場を変えるかもしれない
だって命が狙われるなら
彼らにとって君らは敵になるもんね
え?
その先輩はどうしたのって?
君ねぇ
釣られた獲物の結末なんて
君らが一番知ってるでしょ?
「釣る」側だった君らなら
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