隠れた力
「スキルじゃなくて技術で使ってる感じ?それ世界のルール的にどうなの?」
「魂召喚した癖にルールも何もねぇだろうが。」
「それはそう!」
「なるほどね。技術…ってことはだ。俺のあった技術の一つもそうなるってことだな。ラッキー。」
なるほど純粋な技術はスキル適応外。ステータスにも乗ることのない激ヤバ隠れスキルってことか。鑑定の意味なくね?と思っていたらこの世界には通じると考えればいい。規則外の人たちを呼び出した私が言うのもなんだけど!
「いい事知れたな。にしてもリリスに近づく阿呆が居るとはな。見た目からしてやべぇだろうがよ。」
「言えてるぜ。」
「めっちゃ辛辣。」
でも言ってることは正論なんだよね。見た目がどう見ても貴族の人だし、勇者だとか関係なしに不敬罪で処刑される可能性があるのに何故口説くのか。リリス様は前居た世界では女王様なのに…
「あのー…リリス様。」
「む?すまぬノーネーム。穢らわしい男の血は飛び散ってはないか?」
「腕切り落としてませんよね?!」
さりげなく物騒なこと言ったよこの人!しようと思えば出来るって感じだ!うん?あれタクヤってやつの額になんか印が…
「あまりにも不敬だったものでな。我の魔術で自慢のスキルを奪った。」
「ヤバ。」
「封じるじゃなくて奪ったのがヤベェな。」
「…敵じゃなくてよかったと心底思う。」
「では早速だがそこにいる小娘たちよ。お前達にも罰を与える。」
「な、何故だ!タクヤは悪いことしてない!」
「器物破損、暴行…もっと上げた方が良いか?」
「奴隷売買。」
コルトさん…?今やばいことサラリと言ってない?この世界にも奴隷ってあったのという驚愕と、何故かこの人達ならやりかねないと納得してしまう自分がいた。何故なら冒険者なのにこの人達の身なりが豪華過ぎる。
「奴隷売買って…」
「違法じゃねぇか。」
「多方魔族って理由で片っ端から捕まえて売り飛ばしてたんだろうよ。」
「…勇者じゃねぇな。」
「か、神様に認められた勇者だぞ俺は!」
…鑑定スキル使うか。スキルは全部リリス様が奪っているから何もないけど。気になるのがあった。加護だ。美の女神?そんな女神居たの?怪しい…うん?クエスト本が反応してる。
〜あー、やばい人に会いましたね。〜
「あ、その声ショタ天使くん。」
〜なんですかその名前…まあいいですけど。その人は確かに勇者ですよ。〜
「うげぇ。」
〜…ただ、問題がありまして。その加護を与えた女神様はろくでもないお方でして。イケメンであればなんでもいいという精神のお方で…まともな一部の神々が頭を抱える一柱でして…〜
他にもいる言い方だー!ええ…その美の女神様どうなの?名前は?
〜二代目アフロディーテ様です…〜
「二代目?」
〜まあ色々とありまして…変わったんですよ。ただ変わったことで更に酷くなりまして。〜
「ダメじゃん!」
だから調子に乗る馬鹿が出てくるんだよ!タクヤって奴がいい例じゃん!ハーレムをするのは勝手!犯罪する理由にならない!会話を聞いたナナシとコルトさんはブチ切れモード。ベーちゃんに至っては威嚇モード。私も同類にされたくないので…
「ボッコボコにしちゃってください!殺さない程度に!」
「りょーかい。」
「嬢ちゃん気が合うね…俺も最初からそのつもりだ。」
[ここに決闘場は?あるのにゃら貸してほしいにゃ。でないとここがボロボロになるにゃ。]
「今すぐ用意します!」
「流石に擁護出来ないので…警備兵が来るまでの間!ボコボコにされてください!」
ナナシ、リリス様、コルトさんの3人でタクヤとその取り巻きなハーレムの一員たちを引きずっていく。私とベーちゃんは見学なり。
「ちょ何様よ!」
「そっちが何様なんです?人を商品のように扱って人権というものを知らない?魔族だからって理由でなんでもしていいって思考は理解出来ない。」
[理解する方がおかしいにゃ。]
「だよね。」
決闘場広いなぁ。って思っていたらナナシが刀抜いてタクヤの腕切り落とした。麻酔薬なしで切り落とされるのはきついだろうなぁ。あれ、人間が斬られてるのに気分悪くない。なんでだろ。というか冷えてる気がする。
「ぎゃっ。」
「おーおー、女だからって言って手加減する気はねぇぜ。」
「悪いがさっさと終わらせる。」
「…というかよ。同意した時点でてめぇら同罪なんだわ。大人しく斬られろ。」
「非人道的な行為をしたんだ。その報いは受けるべきだぜ。」
「ま、待ってくれ!命だけは!俺の命だけは!」
「た、タクヤ酷いじゃないか!ずっと守ってやると言ったのに!」
「うるさいうるさい!」
自分の命に危機が訪れた瞬間見捨てた。アホじゃねぇの。ムカつく、なんか…
【ムカつく】
〜エラー、エラー〜
〜エラー検出〜
〜小説家の職業が一時的に変化〜
〜【創造主絶対命令】〜
「命令を下す。」
[…お、おみゃ…どうし。]
「【全力で後悔させろ】…がふ。」
[…はっ!倒れたにゃ!大丈夫かにゃ?!]
むにゃむにゃ…眠たい…
「…はは、ただの嬢ちゃんじゃなさそうだ。」
「力が湧いてくるようだ。」
「…言うだけ言いやがって…まあいい。全力で後悔させるぞ。」
「うむ。」
「りょーかい。」
私が寝てる間、後悔させる為に全力で死なない程度に本気を出し、タクヤ一行にトラウマを植え付けたのだった。
目を覚ました時なんであんなに冷静だったのか分からないまま。
[…倒れるほどの力ってことはにゃ…ナナシがキレるにゃ。]
ベーちゃんが冷や汗を流していたことを知らないままぐっすり眠る私であった。




