4章~幼馴染の整備員~
会議室を後にしたユウセイたちはそれぞれのやりたいことをしに行った。
ある者は整備員と自機の整備を、ある者は家族に会いに行った。
ユウセイは「親の顔を見てくる」と言って家に帰るカイシンを見送った。
~幼馴染の整備員~
カイシンを見送ったユウセイは、自機の整備をしてくれているであろうクラゲの居る格納庫へと向かった。
「クラゲー。居るかー?」
格納庫に着いたユウセイは少し大きめの声でクラゲを呼んだ。
「だれー?」
少し籠った声でクラゲは尋ねた。
「おれー」
「ユウセイ?何か用?」
幼馴染というだけあって「俺」という一言でユウセイだと分かったようだ。
「珍しいね。ここに来るなんて」
「今ちょっと、な」
「なんかあった?」
「任務の通達が来たんだよ」
それを瞬間、クラゲは少し険しい顔になり、強張った声でユウセイに聞いた。
「どんな任務?」
「マスカルに攻撃を仕掛けるらしい。詳細はまた上から通達があると思う」
「また、戦争が始まるの?」
「そうだ。でも、死ぬつもりはない」
「カイシンも?」
クラゲは不安そうに聞いた。
「カイシンも死ぬつもりはないと思う。アイツは今は家族に会いに行ったよ『親の顔見てくる』って言いながら」
「じゃあ、ユウセイはなんでここに来たの?ほかにもっと行くべきところがあったんじゃない?」
「別に会うべき人も居ないし、久しぶりにクラゲと話そうと思って」
「帰還するたびに顔合わせてるのに?」
少しからかうようにクラゲは言った。
「別にいいだろ暇だったんだから」
「ウチのとこに来たってことはそんな理由じゃないんじゃない?」
クラゲはそう言って本題へと話を向けた。
「今回の任務で今までの機体は使わない方針だ」
「え、じゃあどうやってマルクスまで行くの?」
少しショックを受けた表情でクラゲは聞いた。
そしてユウセイは今回乗る機体『昇竜』のことを簡潔に話した。
「ジェットエンジン?聞いたことないわね」
「新型のエンジンらしくて詳しくはまた話があると思う」
「じゃあ今整備しているこの子はどうなるの?」
クラゲは今までユウセイたちが乗っていた五八式機|艦載戦闘機をコンコンと軽く叩きながらながら言った。
「多分一旦はこの格納庫に置きっぱになるかもな」
「じゃあ仕事が2倍になるってことだ」
「そうなるな、申し訳ない」
「別にそんなことはないよ。新しい機体と今の機体を見比べるのも楽しいだろうしさ」
凹んだユウセイを元気づけるようにクラゲは言った。
「開示された情報的に今までとはかなり構造が違うみたいだから結構イジリがいがあると思うしな」
「ユウセイがそんなに言うんだったら結構な違いがありそうだね」
「じゃあ機体が搬入される時を楽しみに待っとけよ」
ユウセイはそう言いながら立ち上がった。
「死なないでよ?」
「死ぬつもりはないさ。カイシンも居るし、な」
心配そうに聞いたクラゲの質問にユウセイは軽く笑いながら返した。
遅くなりましたが4話目を書き終えました~。
なんやかんや言って全然進まずちょっと焦ってました。夏ばてしないように皆さんも気を付けてお過ごしください。8月後半は課題やらなんやらで手を付けられないと思うので遅くなると思います。




