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異郷の砂に刻む足跡  作者: Rizanthe Dravenhart


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9/9

目覚めし女王

バキッ…


大きな木の扉が開く。チャンドラとドロティはその後ろからガピに従っていた。


「ここがハズグン女王の間だ」とガピ。


とても広い部屋には、赤い玉座があり、鉄の花の飾りが施されていた。左右には絵画が飾られ、黄色い毛のカーペットが広がり、シャンデリアがキラキラと輝いている。


「わあ、この絵画、絶対に高価なやつだわ」ドロティが小声で言う。


「ガピ、ハズグン女王の名前を教えてくれ」チャンドラが尋ねる。


ドロティは二人からこっそり離れると、そっと一枚の絵画を下ろそうとしていた。


「アムオル・ハズグン女王。この王国の最後の女王だ」とガピが答える。


部屋の隅から、誰かのため息が聞こえた。その風がチャンドラの髪を揺らす。


「すまない、実は…王国は女王様が氷の檻の中に閉じこもってしまったために滅びたんだ。彼女は新しい時代を見たかったのだろう」とガピ。


「そして女王様は全ての民をハズグンから追い出し、私は二世紀もの間、一人でここを守り続けてきた」とピは続ける。


「お前の気持ち、わかるよ、ガピ」チャンドラが言う。


ガピはドロティがいないことに気づき、彼女が絵画を梱包しているのを見つけた。


「おい、何をしているんだ、ウマ娘!」ガピが叫ぶ。


「え?貴重なものは持って帰っていいって言ったじゃない」ドロティが答える。


「それはこっちじゃない!俺がしまっておいた結晶を持っていけ。女王様に怒られるだろ」とガピ。


「わかったわ。じゃあ、その品はどこにあるの?」ドロティは手を差し出す。


一つの手が宙に浮かび、ドロティの元へ袋を運ぶ。


「女王様のものは取るなよ」とガピ。


ドロティが袋を受け取ると、その手はすぐに消えた。


「わあ、これはすごく貴重な魔力結晶だわ。百年は持つなんて!」とドロティ。


「本当にこれを私にくれるの?」と付け加える。


ドロティはその魔力結晶を手にして大喜びするが、ガピの笑い声が聞こえた。


「何笑ってるの?」ドロティが尋ねる。


「だってそれは、俺のだからな」ガピが答える。


ドロティは両手を広げてガピに近づく。


「おい、近づくなって言ってるだろ、ウマ娘!」ガピが叫ぶ。


「あなたを飼ってやる」ドロティが小声で言う。


「無理だ」ガピが答える。


ガピはチャンドラの後ろに隠れる。チャンドラはそれを見て笑った。


「まさかお前、彼女が怖いのか?」チャンドラが言う。


「そうだよ。あんな考えの読めないやつは怖いんだよ」ガピが答える。


「チャンドラ、どいて。あいつを捕まえたいの」とドロティ。


チャンドラはガピから離れようとするが、ガピは彼の後ろにずっと隠れていて、騒ぎは続いた。


突然、とても大きな声が響いた。


「静かにしなさい!」誰かの叫び声。


チャンドラとドロティは思わず両耳を塞いだ。


「今のは誰の声?」ドロティが尋ねる。


「ガピ、もしかして、あの声は…」チャンドラが言う。


「そうだ。女王様がお目覚めになった」とガピ。


玉座の向こうから、一人の女性が現れた。


漆黒のドレスは夜空のようで、銀の糸がきらめいている。白い雪のような長い髪が美しく揺れ、月のイヤリングが耳元で揺れている。その瞳は、闇の中で輝く星のように光っていた。


ガピはその女性の元へ歩いていく。


「ご紹介申し上げます。ハズグン王国の女王、アムオル・ハズグン様です」とガピ。


「ねえ、従者よ。どうしてウマ娘と異世界の人間がここにいるの?」アムオルが尋ねる。


「お許しください、女王様。私が扉を封印していたにもかかわらず、彼ら二人は二世紀ぶりにここへ入ることができてしまいました」とガピ。


女王の顔に笑みが浮かぶ。


「やっと待っていた時が来た」とアムオル。


「ウマ娘と異邦人よ。あなたたちが住んでいる街は、今どのような様子なのか、私に話してくれないか?」とアムオル。


「私たちはリーフィアットという街に住んでいます。大きな街で、高い建物や家、そして服屋、武器屋、ケーキ屋まで、いろんなお店があります」とチャンドラ。


女王は小さく笑った。


「ありがとう。さあ、私をそこへ連れて行きなさい」とアムオル。


「でもその前に、どうしてあなたが異世界の人間のことを知っているんですか?」チャンドラが尋ねる。


突然、女王の表情が怒りに変わる。


「私は彼らが大嫌いなの。彼らはこの世界の病気のようなものよ。多くの者が、ただ人間の貴族たちの私利私欲のために召喚されている」と女王。


チャンドラは思わず息を飲む。


「お許しください、女王様。あなたがそこまで異世界の人間を嫌っているとは知りませんでした」とチャンドラ。


アムオルはゆっくりとチャンドラの元へ歩み寄り、彼の頬に手を当てて、無表情で軽く押す。


「でも、あなたはとても特別な異邦人だわ。あなたを召喚した力は…まるで大陸の守護者が呼び寄せたかのように、とても特別なものだった」とアムオル。


女王はチャンドラを後ろに押し戻し、再び笑顔を見せた。


「さあ、リーフィアットへ行きましょう。私は早くケーキを食べたいの」とアムオル。


「待って、あの…そちらの通貨制度はまだ金貨、銀貨、銅貨と同じなの?」アムオルが尋ねる。


「はい、女王様。おそらくデザインが違うだけかと」とドロティ。


「もし何か貴重なお持ちでしたら、高く買ってくれる人を知っていますよ」とドロティが付け加える。


「ガピ、しまってある武器や宝石を全部出しなさい」とアムオル。


「かしこまりました、女王様」とガピ。


ガピは玉座の奥にある女王の私室へ行き、5袋の宝石を持って戻ってきた。


「これだけで、あの街で贅沢に暮らせるかしら?」とアムオル。


「十分すぎるほどです、女王様」ドロティが答える。


「女王様、ハズグン王国の中を見て回ってもいいですか?」チャンドラが尋ねる。


「好きにしなさい。ここには住居跡と、この女王の間と、魔力鉱山があるだけだから」とアムオル。


「ありがとうございます、許可してくださって」チャンドラが答える。


チャンドラはドロティに近づく。


「ドロティ、女王様が知らないような宝物が住居跡に隠されているかもしれないぞ」チャンドラがささやく。


ドロティはただうなずくだけだった。


「私たちに2時間だけ時間をください。住居跡を少し見て回りたいんです」とチャンドラ。


「わかったわ。私はここで待っている。その間に鉱山をどうやって使うか考えておくから」とアムオル。


チャンドラとドロティは女王の間を出て、再び三叉路へ戻った。


「チャンドラ、住居跡への道は左側だったよね」とドロティ。


「そうだよ。あっちだ。行こう」チャンドラが答える。


二人は左へ歩き、ランタンの明かりだけが頼りの暗い通路を進んでいく。


しかし、かなり歩いて進むと、大量の土と岩が通路全体を塞いでいた。かつての住居跡は全く見えなくなっていた。


「どうやら戻るしかなさそうね」とドロティ。


「ああ、来るだけ無駄だったな」チャンドラが答える。


二人は女王の間へ戻った。


「あなたたち、戻るのが早いわね。どうしたの?まさか住居跡には何もなかったんじゃない?」アムオルが尋ねる。


「住居跡は完全に土砂で埋まっていました」とドロティ。


「多分、もう誰も住んでいないからでしょう」とチャンドラ。


「さあ、リーフィアットへ行きましょう」とアムオル。


二人はただうなずくだけだった。


「ガピ、私の宝石を全部、お前の異次元空間にしまいなさい」とアムオル。


「かしこまりました、女王様」とガピ。


五つの袋が大きな口に飲み込まれた。


四人はハズグン王国を外へ向かって歩き出した。


ここまで私の物語を読んでくださり、本当にありがとうございました。








誰かが私の書いた物語を読んでくれると思うと、とても嬉しい気持ちでいっぱいになります。




もし気になる点や改善点などがありましたら、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。




皆さんのご意見を参考に、これからも精進してまいります。

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