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戦隊モノの青にされたけど俺以外は敵に寝返った件  作者: 観音寺 和
たった一人の戦隊ヒーローの冒険
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第95話 再会な件

「ナムナム…………」


「────ブルー、私のデスクの前でなにしてるのかな?」


「────おっさん、居たのか。気が散るから俺の視界に入らないでくれ。今すぐ俺の前から存在ごと消えてなくなってくれ」


「────そうは言っても私にも仕事があるんだが………」


「──────ナムナム………」


「司令、今のブルーに何を言っても無駄ですよ。司令のデスクの前の観葉植物の鉢に車の部品を埋めてお墓を作っちゃったみたいですから………」


「────あ、例の車の件、もう二週間経ってるけど引きずってるんだね。────僕も昔飼っていた金魚が死んだとき………」


「────おっさん、あんたの金魚と一緒にするな。おっさんに飼われた時点で金魚はもう死を覚悟していた筈だ。俺は金魚に同情するね」


「────相変わらずブルーは私には辛辣だね………」


「ナムナム………」

─────最近は決まった時間に司令室に作った車のお墓に手を合わせている。

あまりの早逝で写真を撮ることができなかったし、名前も付けてやれなかったから、位牌の代わりに画用紙に絵を描いてお墓に飾った。


────それから、お参りが終わると部屋の隅っこで体育座りして時間を潰すか、地下駐車場のあの場所で手を合わせるのが日課だ。


────そういえばあの後、車を設計した奴の所に怒鳴り込んだ。

───自爆コードの存在がどうしても許せなかったのだ。


設計課に怒鳴り込んでわかったことは、組織のルール上どうしても機密保持の為に自爆コードを設定する必要が有ったという。

「────個人的に車を頼んだだけなのに、機密保持が必要な機構をわざわざなんで入れたんだ!?そもそもそんな物入れてくれなんて一言も頼んでないぞ!!その辺の市販車に自爆装置なんかついてないだろ!?」


「────は、はいぃぃ!その通りですぅう~!!」

設計課の課長は俺が怒鳴り込むと席の横に正座した。


───その後、文字通り膝を付き合わせて話をしてわかったのが、俺の車の製作がいつの間にか車両部の仕事になってしまったようで、設計課の通常の設計ルールに準じて車が設計され製作されたということだ。


「────すまんな、怒鳴り込んで悪かった。仕事のルールなら仕方なかったよな。────でも………もし、次に俺の車を設計することがあったなら、お願いだ………自爆コードなんて組み込まないで欲しい。人の都合でアイツらを一方的に爆破するなんて、俺は反対だ。─────それに、知ってるか?ルールは破るために有るんだぜ。────もしも難癖付けてくるやつが居るなら俺をいくらでも悪者にしてもいい。────頼むぜ!」


「────ブルーさん、貴方の考え非常によくわかりました。たしかに昔は私も設計したものには愛着を感じていました。最近はコピペ仕様ばかりで、あの頃のもの作りへの愛情や情熱を忘れてい様です………。私も設計者の端くれです。貴方の言われた事を心に刻み、次は、次こそは─────!うぉぉ!!やる気がみなぎってきたぞぉ!!」


────あ、なんか設計の課長がスーパーサ◯ヤ人みたいになってしまった。


「────おう!てめぇら!ブルー様の有難いお言葉聞こえていただろ!?今やってる仕事は二日で終わらせろ!チームで動け!脱落者は出すな!!その後、前回の仕様を見直しだ!手直し不要な部分はそのまま製作に図面回せ!全体の図面は五日で終わらせろ!設計が足引っ張るんじゃねえぞ!後工程はお客様、お客様は神様だ!─────それではすぐに仕事に取りかかりますので!失礼します!!」


マシンガンの様なテンポでこちらに言いたいことだけ言って設計課の課長は部屋から飛び出していった。


────その後、俺はとぼとぼと家に帰って布団を被って泣きながら寝たことだけは覚えている。


──────あれから二週間か………。

俺はいつもの様に誰も居ない地下駐車場でぼーっとしていた。


「────ブルー、ちょっと良いかい?」

後ろを振り向くとマナ・Bが立っていた。

「────ちょっとついてきてくれるかい?」

「ああ、いいよ………」

「────やっぱりいつものブルーじゃないね。」

「────そうか?」

「────いつものブルーなら、素直についてこないでしょ」

「────知らない人にはついていっちゃ駄目だって教えられたからな」

「────ははは、そうそう、ブルーはそうでなくっちゃ!」


その後、マナ・Bは俺を車両部の製作室とやらに連れていった。

────そこには何処にこんなに大勢の奴らがいたんだろうって位の人数が壁沿いに整列して立っていた。


「─────ブルー、この幌を取ってみてよ」

「────これ、もしかして?………完成したのか!?」

「────ここにいるメンバー全員がブルーと、この車の為に頑張ったんだよ!」


「───そ、そうなのか?─────み、みんな………ありがとう………」


────その時点で俺は泣きそうだった。

いや、もう泣いていたかもしれない。

俺のためにコイツらは不眠不休で頑張ったんだろう。

そうじゃなきゃ二週間なんて期間で車が完成するとも思えない。


「────さあ、ブルー、除幕を頼むよ」


マナ・Bに促され、俺は幌を一気に取り去った。


─────そこに有ったのは、前回同様の物だった。


────俺はその場に膝から崩れ落ちた。


───積み上げられたAm◯z◯nの段ボール箱。


─────お前ら、この展開好きだな………。


段ボール箱と再会です。


車両部のお約束となりつつあります。



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