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戦隊モノの青にされたけど俺以外は敵に寝返った件  作者: 観音寺 和
たった一人の戦隊ヒーロー見参!
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第29話 カミングアウトの件

「────ちょっとドライブしたら車も子供達も無事に帰すつもりだったのに…………」


 イエローは少し頭を打ったのか、ちょっと頭を押さえて、フラつくような感じでゆっくりと歩いてくる。


「──────お前が裏切り者のイエローか!?」


 俺は幼稚園児達を庇うように一歩前に出る。


「裏切り者─────そう言われても仕方無いわね。でも、私はもう正義の味方をやっていく自信が無くなっちゃったの!!」


 イエローは少しオーバーアクションと思われるくらいの身振り手振りで話をする。

 うん、変身ヒーローかタ◯ラ◯ェンヌかって位のオーバーアクション!俺は嫌いじゃないぜ!


「─────自信?そんなものは必要ないだろ!?─────俺なんかな、俺自身が自信どころか、正義の心だって持っているか怪しいと思っているけど、昨日から正義の味方をやってんだよ!!」

 ちょっと俺もノリノリで力説してみた。

 でも、俺なんか正義の心どころか、人としての心を持ってないんじゃないかと、最近おっさんと話をしていて思ったとか言うのは内緒にしておこう。


「昨日から?ふ~ん、びっくり。もう私の次のヒーロー見つけちゃったんだ。あんなに私に毎日メールや電話で戻って来いって言っておきながら………。昨日ちょっと充電なかったから、私が司令へのメール出来なかったけど、そのせい?私が返信するの遅れたから、その当て付けにすぐ次を見つけちゃうなんて、司令達も節操がないわね!」


 ………今時だなぁ、裏切った後も電話とかメールで連絡は取り合ってるんだ。

 それを聞いて俺のほうがびっくりだわ。

 それになんかこのイエロー、ちょっとアレな人?

 関わっちゃいけない系の人?

 なんかそんな匂いがする。

 俺の嗅覚はこう言うことについては結構役に立つ。

 二時間サスペンスの犯人は当てられないけど。


「───イエロー!司令に限ってそんな事有るわけ無いだろ!?」

 マナ・Bが俺の前に進み出る。


 ───あ、また俺より前に出るなんて………まだ俺よりも好感度を上げようと言うのか。


「あら、一週間振りね!まさか、一週間前には敵と味方に分かれるなんて、思ってもいなかったわ」


 ───あら、一週間前はまだこっち側だったのね。


「───帰って来いよ。誰も怒ってないから!!」


「怒ってるとかいないとかの問題ではないの!私は正義の味方として、絶対やってはいけない事───守るべき対象である一般人を殺めてしまったのだから!!」


 あ、イエローは人殺しちゃってダークサイドに落ちちゃった感じ?


「───殺した?確かに殺したかもしれないけど、ほら、この顔見てみろよ!何か思い出さないか!?」


 マナ・Bが俺の顔を無理やり引っ張る。


「痛ててててて!!」

 俺が痛がっても、マナ・Bはやめずに、イエローの方に更に突き出す。


「───も、もしかして!!!」

 イエローがマナ・Bからむしりとる様に、俺の顔を引っ張る。


「────あだだだだだ!!!」

 おめぇら、やめれ!!

 人の顔をなんだと思ってるんだ!?


「────ま、まさか!?」

 マスクの下の表情はわからないが、イエローは俺の顔を見て、驚いている。


 ───俺も驚くよ。お前ら、人の顔をオモチャのように扱いやがって。


「───そのまさかだよ!」

 マナ・B……俺の顔を引っ張りあって、まさかだとかやめてくれ。

 俺からしたら、本当にお前らの非常識っぷりがまさかだわ。


「この人は……あの時私が殺めた……私がT.O.F.Uの特殊車両で引き殺しちゃった人なんじゃ────!?」


 ──え?この人何言ってるの?カミングアウト??


 マナ・Bの方を見ると、ウンウンとうなずいている。


 ────え?俺を殺したのはイエローなの??

 ─────マジなの??え?聞いてたんと違う!


「マナ・B───確かおっさんは、俺は敵の幹部の運転する車に跳ねられて死んだと言ってたぞ!?」

 混乱する俺。


「────ブルー、それには深い事情が有るんだ」

 その時、突然後ろから声がした。


 ────俺が声がする方を振り返ると、そこには、おっさんがあの変な変装をして立っていたのだった。

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