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戦隊モノの青にされたけど俺以外は敵に寝返った件  作者: 観音寺 和
たった一人の戦隊ヒーロー見参!
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第27話 地獄で会おうぜ、の件

『変身の掛け声がかっこ悪いよ~』


 ………まぁ、そう言ってくれるでない。

 俺も非常に後悔してるんだよ。

 あの時は、おっさんへの怒りで思ってもない事を口走っちゃって、それが変身のキーワードになっちゃったんだもん。

 ほんと、どうせならもっと格好いいのが良いよな。


「これって、違う名乗りに変更出来ないの?」


『アイちゃんとゴンザレス君が賛成すれば、変更出来るよ~』


「そ、それなら、変えてくれないか!?」


『アイちゃんは変えるのは嫌~。だって、しばらくはこれでブルーをいじれるも~ん』


「ア、アイちゃん………」


『だってブルーってば、ゴンザレス君とばっかり遊んでさ、アイちゃんと遊んでくれないんだも~ん』


 ………あれ?焼きもち?


「────わかった!これが終わったら、アイちゃん、お兄さんと楽しい遊びをしようじゃないか!」


 うーん、なんか不穏な台詞だ。

 ───マナ・Bの視線も痛い。


 そんな時にアイちゃんのアナウンス。

『目標が減速しました。────間もなく停車の可能性が高いで~す。ブルーの視界にバス内の乗客の配置を重ねるから、ぶったぎる参考にしてね~』


 アイちゃんの言うとおり、俺の視界にCGのレイヤーが重ねられた。


『マナ・Bはこのままバスの横を通りすぎてね~。ブルーは車の上に移動して、すれ違い様にバスを真っ二つに切断してね~』


「わかったぞ!」

 窓を開けて車の上に飛び乗る。

 あ、俺ちょっと格好いいぞ!?


『上手くぶったぎれたら、ブルーはこの車の後ろに有るワイヤーを、バスの前の何処かにくくりつけてね!そしたらマナ・Bは合図でフルアクセルだよ~?』


「ちなみに、ぶったぎっても爆発しないよな??」


 懸念事項はそこだよな。

 ぶった切った結果、爆発して粉々になっちゃったら、目も当てられない。

 Tバズーカの惨劇と変わらなくなる様ならやらないほうがマシだ。


『ブルーのは水で切るから大丈夫だと思うけど、切る場所はここの点線でお願いね~!』


 アイちゃんからの情報が反映されて、視界に映るCGの車両側面中央に斜線が入る。


『ここで切断したらね、車の前側にエンジンも燃料タンクもくっついていくからね~、爆発しても子供達は平気だと思うよ~』


「ブルー、バスが停車した!このまま横を突っ切るぞ!」


「────よし!今だ!」


 俺は車からタイミングを合わせて飛び上がった。

「ブルー・ウォーターソード!!」

 そう叫んぶと、勢いよく構えた右手から水のカッターが吹き出した。


 ────俺はその水の刃をCGの点線に合わせて斬り込んだ。

 バスは真っ二つに綺麗に分断された。


『ブルーお見事!』

 頭に響くアイちゃんの声。


「─────ん!?」

 でも、俺は何かわからないけど、違和感を感じた。

 耳鳴りがするし、何か口の中が渇いて、目がショボショボする。

 ────もしかして??

 さっきの必殺技って………もしかして、俺の体の水分使ってね?


『ブルー、遅~い!急いでワイヤーを掛けないとだよ~』


 ────あ、そうだった。

 俺はフラフラになりながらも、なんとか車の後ろのワイヤーをバスのフックに掛けた。

 ──なんか、俺の水分相当奪われたんじゃね?

 ────なんか寒気もし始めたんだけど………??

「ワイヤー掛けたぞ………」

 ───俺は立っていられなくなり、その場に膝をついた。


『マナ・B!フルアクセル!』

 ────アイちゃんの合図で車両が急発進する。


 俺はフラフラになり、霞む視界でマナ・Bの運転する車両の行方を目で追いかけた。


 幼稚園バスを引っ張って激走するマナ・Bの運転する車両。

 あのまま行ったら大岩にぶつかるぞ!?

 大岩が車の前に迫る。

 ────マナ・Bの運転する車諸とも、あれにぶつける気なのか!?

 ───そんなことしたらマナ・Bが!?

 いくら正義の味方とは言え、こんな所で命を散らしていい筈がない!!

 しかし、俺は体の水分をかなり失ってしまっていて、彼を止める力は残されていなかった。

「───マ、マナB!!」

 フラフラしていたが、とうとう突っ伏してしまった。


「マ、マナ・B………すまん、お前の事は忘れない!────俺が偉くなったら幼稚園に、財団の金で銅像建ててやるからな!!」


 ───俺の金じゃない、財団の金だ。きっとデカい奴を建ててやるぞ!!


 ──── "Hasta la vi(地獄で会おうぜ)sta," マナ・B!

 


『────はい、右にハンドル30°切ってね~!』

 アイちゃんのアナウンスの後、大きな爆発音。



 ───俺は力を振り絞り、視線を上げた。

 ────立ち上る爆煙。

 ────あれ?

 目を凝らすと、立ち上る煙の中からマナ・Bの運転する車両がこちらに向かって走ってくるのが見えた。


 ────マナ・Bは無事だった。

 アイちゃんの指示でハンドルを切って、バスだけを大岩にぶつけたのか………

 マナ・Bが運転席の窓を開けてサムズアップしながらこちらに車を走らせてくる。



 俺は思った────心配して損した。



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