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四章 破の弾
悔しさを噛みしめて、渋々と銃を下ろそうとするエマをラファエルは止めた。
「エマ。ダメッ」
「でも……っ」
「ダメだ。
銃を下ろしたら奴の思うつぼだよ」
「はは、言うじゃねえか小僧。
自分は撃たれたって平気ってか」
ハンターが撃鉄を下ろす。
エマは半狂乱になって叫ぶ。
「止めてっ。
撃たないでっ。
銃を下ろすから!」
「エマッ!」
「だってっ」
「守ってやるって約束したんだっ。
だから心配しなくていい。
絶対に約束は守るから」
「無理よっ。
お願いやめて」
エマが銃を下ろした。
ハンターがニヤリと笑ってエマに銃口を向けて引き金を引いた。
そのとき、支配人も拾い上げた杖を握り、その先を椅子ごと動かしてハンターに向けていた。
ふたつの銃声。




