表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
96/106

四章 序の弾

「我が儘を言うな!

 こいつを生かしておけばきっと私たちに復讐してくる。 

 あんたに私たちは守れない。

 だったら好きにさせて欲しいね。

 どうせこんなクズ死んだっ……て……?」


一発の乾いた銃声が響き渡った。


鼻につく硝煙の香り。


煙の元はハンターの腕にもつ銃から伸びていた。


ハンターを縛り上げていたはずの縄は断ち切られてブーツの拍車に絡まっている。


「な!?」


「相手の武器はきちんと確認しないとダメだぜ」


ハンターは起き上がると、ブーツの底に開けられた銃の隠し場所を見せびらかした。


「へへへ。やっと自由になった」


ハンターは笑う。


クララはゆっくりと自分の腹部を見遣った。


衝撃のあとに温かい感触が肌を伝っていた。


ぐらりと体が傾ぐ。


「クララッ」


「動くなっ」


クララに近づこうとしたラファエルをハンターは銃で制する。


しかしラファエルはそれを無視してクララの元に駆け寄った。


エマが手に持った銃に力を込める。


ハンターは強い語気で一喝した。


「止めろ!

 ……お嬢さん、銃を捨てるんだ。

 さもないと大事なもう一人のお友だちにも穴が開くぜ」


ハンターの銃口はラファエルを捉え、エマの銃はハンターを狙い、場は完全な膠着状態となった。


「クララ、クララ、大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ……」


クララはか細い声でそう言った。


明らかに虚勢だと分かった。


荒い息を吐いて、懸命に生をつなぎ止めようとしている。


「貴様、儂の商品をっ」


支配人ミステルが縛られたまま地団駄を踏んだ。


円形劇場サーカスを出たら許可証も意味ありませんよ。

 俺は危険な半獣人どもから善良な市民を守っているだけです」


「こいつらをどうするつもりだ?」


「どうって、殺す以外ないでしょうよ」


「そんなことは許さん」


「じいさん、あんたの許す許さないじゃないんだよ。

 どうせサーカスも燃えてなくなっちまったんだ。

 いい加減に諦めな」


ハンターは銃を構えたまま支配人ミステルを見もせずに笑い声を上げた。


支配人ミステルが足下に転がった自分の杖を懸命に足で取り上げようとするのがラファエルに見えた。


エマに気を取られてハンターには見ていない。


ラファエルはこれが膠着を破るきっかけになればと思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ