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二章 ひな鳥

マリアンヌは骨折でなにひとつ自分のことをすることができなかった。


その分、ラファエルが仕事をこなしながら彼女の面倒をみた。


食事から着替え、排泄物の処理まで彼女は泣いて嫌がったがラファエルは躊躇せずにひとつひとつを丹念にこなした。


母の世話もこうして自分で出来れば良いのにとラファエルは思った。


巴里が療養地と同じくらい空気がきれいなら良いのに、もしくは療養地にもこんなサーカスがあれば働きながら通えるかもしれないのに。


せめて。


代わりとは言わないがマリアンヌの世話はきっちりとこなそうとラファエルは考えていた。



そのうちに羞恥心も薄れたのか、信頼関係も生まれて、マリアンヌもすっかりラファエルを頼りにするようになった。


一ヶ月ほどでマリアンヌは歩けるほどには回復したが、ラファエルが作業を終えて食事を届けにやってくるときなど、親鳥を待ちわびる雛のように嬉々として甘えてくる。


元気になっているようで、ラファエルも安心する。


だが、すべてが順風満帆な日々、というわけにはいかなった。


その日、給料の代わりに母の手紙を受け取ったラファエルは沈んだ表情で倉庫に戻った。


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