最悪彼女
以前、当時の自分のホームページで連載していた小説の手直しです。
皆様こんにちは。はじめまして。
それでは、彼女についての話をさせていただきます。
あ、彼女といっても俺と付き合っている恋人という意味ではありません。"she"と同じ意味です。くれぐれもお間違いのなきようよろしくお願いします。
今から16年前。俺の母親と彼女の母親は同じ日同じ時同じ病院の隣どうしのベッドで産気づいて、それぞれ男の子と女の子を産みました。僕と彼女の、究極の幼馴染としての誕生です。
しかし彼女は、すんなりぽろっと産まれた俺とは違い、産声をあげるすら出来ませんでした。そして狭い保育器の中で育てられたのです。
その後、病院で意気投合した俺の親と彼女の親はまたまた隣どうしに家を構えることになりました。完全に、中学生の友達グループのノリですね。こんな偶然ないから、家も隣にしちゃおうぜ~的な感じだったのでしょう。我が親ながら、どうかと思います。
そんなノリでできた家に、彼女はほとんどいたことはありません。病院から出られないのです。彼女は生まれたときから修羅場を何度となく乗り越えてきました。死を宣告されたことだって何度もあります。並大抵の人間が耐えられるものではないでしょう。
そんな病弱な彼女に俺は毎日…
パシられています。
日の当たらない病院にずっといるせいで、肌の色は白く透き通るよう。運動はできず、食も細いため、華奢で折れてしまいそうな体躯。人形のように整った顔。長く、柔らかく細い髪。そんな病弱でか弱い美少女の彼女に俺は毎日パシられています。
彼女はほとんど学校に通えていないのですが、自学でこつこつと勉強をしていて、もう高校の範囲はだいたい終わらせてしまったそうです。そんな聡明で病弱でか弱い美少女の彼女に俺は毎日パシられています。
彼女は手先が器用で、勉強していないときは裁縫をしていることが多いです。病室には、手作りの編みぐるみや、刺繍のタペストリーが飾られています。病室なのに、無機質さではなく温かみを感じられるのでほかの患者さんにも人気です。そんな女らしく聡明で病弱でか弱い美少女の彼女に俺は毎日パシられています。
天は彼女に二物も三物も与えたもうてくださりやがったのですが、さすがに四物を与えてしまうほどぬるくはなかったようです。…彼女の性格は、
自己中・他人に厳しい・俺様・口が悪い・すぐに暴力に訴える・自分の非を認めない・不条理…etc.
最悪でした。
これは俺と、女らしく聡明で病弱でか弱い美少女で史上最悪の彼女の、汗と涙と暴力と流血の記録です。
…誰か助けて下さい。




