炎の用心棒
ムニはそのトカゲの方に行き、軽々と持ち上げた。あれのどこが可愛いのか、俺にはさっぱり分からない。
「ムニ、そろそろ行くぞ。ここに長居するのも良くはない」
「は〜い!」
ムニはトカゲを地面に置いた。そして、トカゲの頭を優しく撫でる。そして、俺らはある程度離れた。そして再び飛び立とうとしたその時、何かが降って来た。
俺は身構える。そこには…俺を真似た様なロボットが居た。
「誰だ、お前…」
「稲妻の覇者…抹殺…命令…」
「口喧嘩じゃ解決しなさそうだな、お前も…最近そう言う奴ばっかで疲れてるんだが…いや、一番新しいのはついさっきの戦いだが、その次は半年前だな…まぁ、火星時間での感覚だがな」
そいつは俺に向かって走って来た。俺もそいつの方に走った。俺が拳を振ると同時に、それも拳を振った。そして、俺とそいつの拳はぶつかり合う。硬い…
俺はそいつの腹にヤクザキックを当て、軽く蹴り飛ばした。俺はブレスレットを相棒に変える。そして、それの胸部に切り傷をつける。だが、傷は浅かった。
「完全に俺特化のロボットだな…」
勝てるか?勝てる気がしないな…いや、何を考えているんだ俺は…できる、できないじゃない…するか、しないか…やるか、やらないか…本気で勝ちに行かないと、勝てる訳無いよな…
俺はそいつの胸部に蹴りを当てた。そして、それの腰に体当たりをし、そのまま後ろへと倒した。そして、俺はそいつの上に乗る。俺は相棒を振り、それの胸部についた切り傷の両端に逆向きの切り傷をつけた。最後に、切り傷が合わさり十字架の交差点となった場所に相棒を刺した。
俺は離れる。それは立ち上がる。それは俺の方に走ってきた。俺は跳び、それの後ろに立つ。そして相棒を手元に戻そうとする。すると、俺の相棒はそれの胸部を貫き、俺の手元に戻ってきた。
それの動きが鈍くなった。その瞬間、俺はそれの頭と右肩に相棒を刺した。そして、思いっきり炎の銀河の方に投げた。相棒を手元に戻そうとすると、それは俺の方を向いていたため、それごと俺の方に戻ってくる。
俺は空中でそれの上に乗る。そして、相棒を引き抜き、それを炎の銀河へと蹴り飛ばした。それは回転しながら炎の銀河の中に入り、軽い爆発が起きる。俺は相棒をブレスレットに戻した。
「す、凄い…」
「俺を殺害するために作られたのなら、俺の格闘戦は通じにくいと思ってな…だからゴリ押しの脳筋攻撃が得策だと思ったんだよ」
その時、あのロボットが一気に二つも来た。それらはさっきの個体と違う点があった。それは…右手部分が剣になっていたのだ。あれが格闘戦専用なら、これは剣戦専用って感じか…
「何機あるんだよ…ムニ、いつでも逃げれる準備はしておけ」
「逃げるの?てか逃げれるの?」
「逃げながらまた炎の銀河の中にぶち込む」
「炎の河に?」
「あれに名前ついてあるのかよ…」
「そりゃあね!ここは炎の河から遠いから分かりづらいけど、結構熱いんだよ、あれ。確か、その中は25兆度あるらしいよ」
「熱すぎんだろ!」
「そうだよ。だからこれ以上あっち側には近づけないよ!それだけは頭に入れておいて!」
「分かった」
「後、ここには『炎の用心棒』っていう、めちゃくちゃ強い人が居るから!」
「そんな奴が居るなら助けて欲しいな…」
その時、片方のロボット…Aの方が俺に斬りかかる。俺は剣を素手で掴み止め、Aの腹部に蹴りを当て、突き飛ばした。Bが斬りかかる。俺は剣を蹴り、地面に刺し込ませた。そして、Bの頭に回し蹴りを当てた。
Aが突進してくる。そして、剣を振る。俺は跳び前転をし、それを避けた。そして、そいつの腰に手刀を当てた。が、それの装甲は硬く、攻撃が通っているようには思えなかった。
俺は距離を取る。AとBが同時に俺の方に走ってきた。そして剣を振る。俺はブレスレットを相棒にし、剣を止める。そして、剣を押し返した。そして、二機の片肩にそれぞれ浅い切り傷を付けた。
そしてBの腹部に蹴りを当て、後退させた。Aは目を相棒で斬り、使い物にならないようにした。そして、相棒をAの両肩に刺し、巴投げをした。そして背負い投げもした。相棒を抜き、ブレスレットに戻した。
Bが剣で刺そうとしてきた。俺は剣を掴んだ。手から血が流れる。さっきは上手く刃に触れずに掴めた。だが今回は咄嗟の事だったため、刃に触れていた。そのため、手から血が流れていたのだ。
俺はなんとか背負い投げをして、Bを地面に叩きつけた。そして、Bの剣を、峰から手刀で折った。そして、Bの折れた剣が付いていた方の腕を掴み、再び背負い投げをした。
その時、Aの蹴りが俺の背中に当たった。俺がAの方に向いて殴ろうとすると、すぐに起き上がったBが俺の右肩を左手で拳を作り殴った。俺が前のめりになり、少し怯んだ瞬間、Aは俺の右腕を掴み、背負い投げをした。俺が立ち上がろうとすると、Aは俺の胸を踏み、立てないようにした。
俺が相棒でこの脚を斬り落とそうとすると、誰かがAに突進して吹っ飛ばした。俺はすぐに立ち上がる。Bが俺の方を向く。すると、さっきAを吹っ飛ばしたであろう奴が、Bの腰を炎で作られた槍で攻撃し、上半身と下半身に分解した。
Aが起き上がる。すると、そいつは炎の槍を投げ、Aの頭を貫いた。一気に二機がやられた。こいつは、敵なのか?味方なのか?炎に覆われたこいつは、一体誰なんだ…?
「炎の用心棒さん…ですか?!」
ムニがそう聞いた。そして、炎が無くなった。そこには…赤い髪、赤い瞳を持つ、女の子が居た。
「こんなガキが、『炎の用心棒』?名前に似合わないな…迫力不足だぜ」
「…おまえ…プセブデスだな?!」
「プセブデス?なんだそれ?」
「とぼけてもむだだ!このわたしのめをだませるとおもうなよ?!この『炎の用心棒』が、炎の河をまもる!」
炎の用心棒は俺にタックルをしてきた。力は俺の思っていた力より数倍…いや、数十倍強く、俺は軽々と持ち上げられ、炎の河の方へと運ばれていた。俺は炎の用心棒を蹴り飛ばし、近くの惑星に落とした。
俺はその惑星に着地する。そいつは立ち上がると、軽くステップを刻む。
「こいよ、しゃべれるプセブデス!」
「話を聞く気は、無いようだな…」
そいつは殴りかかってきた。俺はそいつの拳を掴み止め、そいつの腹に蹴りを当てた。そして、そいつの頭に回し蹴りを当てた。そして、そいつの腕を掴み、背負い投げをした。
その時だった。そいつは倒れた状態から、俺の手を離していなかった。そして、そいつは倒れた状態で俺を地面に叩きつけた。俺とそいつは同時に立ち上がる。
そいつは俺に蹴りを放つ。俺はそいつの脚を掴む。すると、そいつは脚を掴まれた状態で、跳び、回し蹴りを俺の肩に当てた。俺が横に転がる。俺が顔を上げてそいつの方を見ると、そいつは俺の顔面を鷲掴みにして、地面に叩きつけた。
俺はそいつに巴投げをする。俺が立ち上がり、少ししてそいつも立ち上がる。俺はそいつに殴りかかる。そいつは俺の拳を避けて、俺の懐に入り込む。カウンターを俺は警戒していた。だが、そいつは俺の脚にそいつの脚を引っ掛けて、俺を転ばせた。
そいつは俺の上に馬乗りになる。そして、俺の顔を攻撃しようとしてくる。俺はなんとか頭を動かして、そいつの攻撃を避ける。そして、そいつに巴投げをしようとするが、そいつは投げられる前に俺を踏み、後ろへと跳び、巴投げを回避した。
こいつ、強いな…澄火瑠さんと似た強さだ。
「プセブデスが何か知らないが…どうやら、久しぶりに楽しめそうだぜ」
「こい!この霊火さまが、おまえをぶちこわしてやる!」
俺はそいつの…霊火の方に走った。霊火は右拳で殴ろうとしてくる。俺は霊火の右手首を掴む。そうすると、霊火は左拳で殴ろうとしてくる。俺は霊火の左手首を掴む。拳は使えない状況になった。すると、霊火は脚を地面から離し、思いっきりドロップキックのやり方で俺を蹴り飛ばした。霊火は俺を見て冷笑をする。
俺は首を回す。そして、ジェスチャーで「来い」とやる。霊火は俺の方に走ってきた。そして、霊火は高く跳び上がる。そして、右脚に炎を纏わせて、俺を蹴ろうとしてくる。俺は胸で霊火の蹴りを受け止めた。そして、霊火の脚を掴み、思いっきり地面に叩きつけた。霊火は立ち上がる。俺は霊火を見て冷笑をする。
「おまえ…プセブデスじゃないのか?」
「だからそう言ってるだろ…俺は稲妻の覇者!別宇宙から来た、光に選ばれた者だ!」
「『稲妻の覇者』…ながい!きょうからわたしはおまえを『イナ』とよぶ!いろんはみとめない!」
「それより、あのプセブデスってのは、なんなんだ?」
「シャドー軍ってのがつくったろぼっとだ!」
「シャドー軍?!」
「シャドー軍がどうかしたのか?」
「多分…そのシャドーってのは、俺のライバルだ」
「そうだったのか?!」
「俺はシャドーを止めに来た。頼む、俺と一緒に戦ってくれ」
「…プセブデスどもは、いろいろなほしをかいめつさせてるときいたんだ。なら、わたしだってとめたい!わたしも、おまえのなかまになる!」
「ありがとう、霊火…ところで、その「聞いたんだ」ってのは、誰から聞いたんだ?」
「わたしのともだちの『鏡の戦略家』だ!」
「『鏡の戦略家』…?」
「そうだ!『鏡の命』っていうばしょにいる、あたまいいやつだ!」
「そうなのか…」
「そいつもきっと、わたしたちといっしょにたたかってくれるはずだ!」
「そうか…なら、行こうか。『鏡の命』に」
俺はムニの元に戻った。
「大丈夫?」
「ん?結構ダメージは食らったが、仲間にした」
「仲間にできたの?!」
「え?そうだが…そんな驚く事か?」
その時、ひょいっと霊火がやってきた。
「だって、炎の用心棒さんは、幾つもの侵略者を倒してきたんだよ…?」
「そんな事言われても、俺には分からない。ただ、こいつは強い。頼りになる」
「れいかだ!よろしく!」
「は、はい!」
「ムニ、その手の中にあるトカゲは置いて行くからな?」
「え〜…」
「当たり前だろ。俺らの戦いにそいつは巻き込めない」
ムニはトカゲを地面に置いた。そして、俺らは飛び出した。
「それで、鏡の命はどこにあるんだ?」
「こっちだ!」
霊火は俺らの先を飛ぶ。俺らは霊火の後ろに着いて行く。そして、飛ぶ事数時間後…俺らの目の前に、俺の偽物ロボットが現れた。
「プセブデス!!!」
「これの事か!プセブデスって…にしても、多すぎだろ!」
俺らの行く手を阻むように、それらは現れた。その数は…パッと見でも、軽く百は超えていた。
「なんだよこの量…気持ち悪いな」
「シャドー軍がほんきだな!」
俺が戦闘態勢に入ろうとすると、霊火が手を俺に伸ばし、静止させる。
「ここはわたしがくいとめる!おまえらはいそいで鏡の戦略家…未来のとこまでいけ!」
「お前…!死ぬぞ!」
「だいじょーぶ!わたしはさいきょうの炎の用心棒だ!こんなやつら、けちょんけちょんにしてやらぁ!」
「…霊火さん、死んじゃいますよ!皆で戦った方が!」
「しぬな?だれにきいてるんだおまえ?このわたしだぞ!わたしがまけるわけないだろ!ばかか!じかんがない!いそげ!」
「…さよならは言わない。また会おう」
俺はムニを連れて、飛んで行った。どこに向かえば良いか分からなかったが、飛んで行った。霊火が見えなくなった。その時、ブレスレットの宝石部分から一筋の光が伸びた。
どこに行くかは分からない…でも、行くしかない。俺はブレスレットが導く方へと向かった。どれだけ飛んだだろうか。数時間か、数日か…ムニは空腹?と、脱水?とやらで、限界っぽかった。だから俺はとある星に着陸した。
「飯になりそうな奴は居ないかな…」
「お腹…空いた…喉…乾いた…」
「分かったっつーの…何回目だよ…それ言うの」
「分からない…だって、もう、限界なんだもん…」
「それももう聞いたっての…もう喋るな。休んどけ。良さげな飯とか探してやるから」
俺はムニを背負い、歩き出した。死の星って訳ではなさそうだ。岩石や砂が多い。水があるかは分からないが、水を必要としない生命体とかなら居そうだな…俺がそんな事を思いながら歩いていると…
この星の知的生命体に出会った。心無しか、ムニ達の種族と似た雰囲気だ。
「お前、この星の住人か?」
「そうだが…お前さんは誰だ?この辺では見ない顔だが…」
「稲妻の覇者。ちょっと飯と水を恵んでくれないか?こいつが限界なんだ」
親指でムニを指し、頼む。
「分かった。着いてきてくれ」
その男に俺は着いて行く。そして、俺は家のような物の中に案内された。




