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俺はなろう系主人公をやめたい  作者: 見切り発車
少年期

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師の在り方

俺は、アリシアに連れられて、食堂の中で朝ごはんを食べていた。


「そうか、君の名前はそこから取っているんだね」


「はい、それ以外にいい名前も思いつかなかったので…」


軽く雑談をしながら、食事を口に運ぶ。

机の上にはいくつかの料理が置かれていて、そのどれもが昨日より軽めのもので、焼き魚やサラダ、スープといったものだ。


「となると、その言葉にもなにか意味があるのだろうね。呪いや、魔法の名称かもしれない」


彼女に俺の名前の由来を伝えると、彼女は手を止めて深く考える。


「しかし、聞いたことがないな。

君にもなにか心当たりのようなものはないかい?」


「今のところ、特に思い当たるものはありませんね」


その言葉を聞いて、またもや彼女は考え込む。

そんな様子を見て、彼女に伝えていないことを思い出す。


「そういえば、さっき適性調査をした時には、既視感を感じなかったんです」


「ほう?確か、君の予想では、その既視感は人生を繰り返してることによって生じるものだと言っていたね?」


彼女は食器を動かし、焼き魚の骨を綺麗に取りながら、こう伝えてくる。


「もしかしたら、今までの繰り返しの中で、私達は会っていないのかもしれないね。

しかし、今はまだ分からない事も多い。

研究が進めば、関連性も明らかになるはずさ」


「師匠としては、そこまでにどれくらいの時間がかかると思いますか?」


「本格的に空間魔法に手出し出来るようになるのは一、二年後だろう。そこからは、ハッキリ言ってまだ分からないな」


そうして会話をしながら料理を食べていると、次第に腹が膨れていき、ついに全てを食べ終える。


「焦ってもいいことはないさ、扱う魔法が魔法だし、危険だからね。着実に進めていこう」


そう言って彼女は頼んだ料理の会計を済ませる。


「それもそうですね、食事、ありがとうございます」


「いいんだよ。それよりも、君も早く魔法を使ってみたいだろう?

帰ったら早速やってみようか」


そう言って外へ出ようとする彼女に着いて行き、食堂を後にする。


彼女に着いていき、学院へ戻ろうと歩いていると、彼女はいきなり歩みを止めた。


視線の先を見ると、でかでかとローブや杖といったものが描かれた看板が目に入った。


「君も魔法を扱うなら、最低でも杖やローブを持っていた方がいいな。

丁度いい、買いに行こうか」


彼女は俺の方を見てそう言い、その店へと近づいていく。


ローブや杖といったものは魔法を使うための必需品なのだろうか?


魔法にあまり詳しくない俺は、そう疑問に思ったが、彼女が必要だと言うなら必要なのだろう。

俺は何も言わずに彼女について行くことにした。


店へと近づき、中に入ると、店内には仕立ての良さそうなローブが何十着も掛けられていて、壁には数え切れないほどの杖が展示されている。


店の奥を見ると、アリシアと、この店の従業員であろう人物が会話をしているのが見える。


「洞窟グモの糸で織られたローブと、エルダートレントで作られた杖はあるかい?」


「ええ、あるにはありますが、しかし…」


「大丈夫だ、これでも学院で教授をやっていてね、金なら十分にあるさ」


「なんと、かの魔法学院の…!?失礼しました、すぐさまご用意いたしますね」


なにやら話しているようだが、距離があってあまりよく聞き取れない。


俺は店内を見渡しながらも、彼女へ近づく。

そんな俺に彼女は気づいて、笑いかけてくる。


「ああ、置いていってすまないね。

今しがた、君のローブと杖を選んだところだ」


「ありがとうございます。ですが、ローブや杖ってそんなに重要なものなのですか?」


「ああ、それこそ魔道士には命と言って差し支えないものさ。

研究室に戻ったら、君に実演して見せてあげよう」


そう話している内に、先程の従業員が、店の奥からツヤツヤとした光沢のある箱を二つ持ってやってくる。


「こちらがご注文の品でございます」


そう言って箱の蓋を開けると、中にはそれぞれ、黒色のローブと、茶色い杖が入っていた。


「身につけてみたまえ、サイズが合うといいが…」


その言葉を聞いて、従業員は丁寧に箱からそれらを取り出し、ローブを俺に着せると、杖を手渡してくる。


ローブはヒンヤリとしていて、いつも身につけている衣服よりはるかに手触りが良いのを肌で感じる。


手渡された杖は見た目よりもズッシリとしていて、表面は鏡のように丁寧に磨かれている。


どちらも今まで目にしたことがないほど上等で、かなり値の張るものなのは明らかだ。


「これ、いいんですか?」


「ああ、可愛い弟子の物だ。

半端なものにはしたくないからね」


彼女はそう言って俺の格好を見て、満足気に頷く。


「今のままでは少し大きいが、成長すればちょうど良くなるだろう。

良い買い物が出来た、感謝するよ」


そう言って彼女は、従業員に金貨を何枚か手渡す。


「さぁ、行こうか。早速使ってみよう」


待ちきれないといった様子で、足早に店を去ろうとする彼女に、感謝を述べる。


「こんなに高価なものを、ありがとうございます」


「いいと言っているだろう?それに、私のためでもあるからね」


そう言って前を歩く彼女の後ろ姿は、いつもより大きいように見えた。

まだまだ未熟者なので、表現や設定の矛盾、見ずらい部分等を指摘していただけると大変助かります。

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