俺はなろう系主人公をやめたい
処女作
最初に違和感を感じたのは、冒険者ギルドでチンピラに絡まれた時だった。
「ここはガキの来る場所じゃねぇぞ。
お前みたいなガキに、冒険者は務まらねぇよ」
ギルドに入った途端、中肉中背の男にそう言われた。
三十代半ば程のように見え、胸や関節などには皮で出来た防具を身につけていて、腰にはショートソードを携えている。
そのどれもが使い込まれていて、年季を感じさせる。
おそらくは中堅の冒険者だろう。
賑わっていた空気が一瞬静まり返り、周囲の視線がこちらに集中する。
あまり気にならなかった酒精を帯びた空気が、妙に鼻についたのを覚えている。
当時の俺はまだ13歳で、ギルドに登録するには少し若かったが、態々絡んでくるとは思わなかった。
どいつも歴が長くなるほど保守的になるし、そこらの子供が一人、冒険者になって死んだところでこいつらに影響はない。
「邪魔をしてしまったのならすみません、今日は冒険者登録ではなく、適性調査に来たんです」
正直、第一声がガキ呼ばわりは腹が立ったが、突っかかったところで無駄だとわかっていたので、出来るだけ丁寧に返したのを覚えている。
「そうかよ、用事が済んだらさっさと出てって家に帰るこったな」
「はい、それでは失礼します」
今思えば、世間知らずの子供が遊び半分でギルドを見に来たと誤解されていたのだろう。
揉め事が終わったと見ると、こちらに集まっていた周囲の目が、次第に散らばっていく。
そこで、俺は突然妙な違和感に襲われた。
以前にも同じことがあったような、まるで記憶を不完全に消されたような感覚、これは
既視感…?
これが俺、主人公キュクロス・ミトスが初めてなろう系小説を認識した出来事ってわけだ。
「そこで見てるお前、ちゃんとわかったか?」
なろう系でよくある展開に疑問を持って、メタ的な描写挟んでくる小説あったら面白そうと思ったので書きます。上記の通り処女作です。
朝と夜に1話ずつ、1500を目安に書きます。
まだまだ未熟者なので、表現や設定の矛盾、見ずらい部分等を指摘していただけると大変助かります。




