1話
「フゥ〜、久しぶりにPKに会ったな。今更俺に挑むやつがいるなんて考えもしなかった」
俺は黒鷺陽現実ではゲームと本が大好きな高校二年生だ。
今やっているのは昨年に配信が始まったスマホゲームFSOだ。このゲームはスマホのゲームなのだがクオリティが高くその名の通り自由度がとても高い。例えばこのゲーム一つで魔物の討伐はもちろん農業、商業、政治など様々なことができる。
俺はこのゲームの中で高校の友達とクランを作っている。人数は少ないが実績はトップクラスでどのイベントでもランキング上位に入る。その中でも俺はリーダーを務めて近接戦闘に至っては最強と言われている。
そして今PKを返り討ちにしたあと運営からのメールが届いた。
これにはとても驚いた。なぜならこのゲームに運営が関わったことがないからだ。そのことから一部では神が作ったとも言われていた。
件名には重要なお知らせとある。中を開封してみると
「貴方がたはこのゲームにおいてとても優秀な実績があります。そのため今から異世界に召喚させていただきます。」
「……召喚ってなんだよ。誰かのいたずらか?」
スマホから顔上げて自分を見てみるが特に変化は無く男子高校生が午前2時に部屋でゲームをしているだけだ。
「そんな馬鹿なことがあるわけないよな」
そう呟いた時に目の前が真っ白になり意識が無くなった。
そして目を覚ますと知らない真っ白な天井だった。
「なんで異世界転生の転生テンプレを味わないといけないんだよ。まぁ、この様子から寝落ちというオチはないな」
部屋は天井だけで無く壁や床から家具まで全てが真っ白になっている。自分を見て見るとさっきまで着ていたパジャマから見覚えのある真っ黒な服装に変わっていた。その服はゲームのアバターが装備していた愛用のものだった。黒を基調に赤や金の刺繍が入ったフード付きのローブに真っ黒な喪服を着ている。さらに背中には自分の背丈より25センチほど高い2メートルほどの長さで刃の部分だけでも1メートルある大鎌を持っている。
「確かこの大鎌はかなりの重量があったはずだが装備できている。これから考えるられるのは自分の能力もアバターよりになっているということか。死神の目も付いているからステータスを確認しよう」
黒鷺陽
年齢 17歳
職業 詐欺師
種族 死神
称号 転移者
攻撃 一撃でSランクの冒険者を気絶
防御 ミスリルでも傷つかない
速さ オリンピックで金メダルぐらい
知力 偏差値70くらい
魔力 普通の魔術師の十倍
体力 死神に体力って必要?
装備 死のローブ 死神の目 大鎌・断罪
スキル 詐欺師(詐欺・詐称・認識阻害)
死神 (刈り取り・鎌装備時攻撃範囲拡大)
「ステータスって数字じゃなかったか?死神の目があって良かった。これがあれば鑑定ができるから便利になる」
白い部屋でその後もゆっくりしていると遠くから慌てて走ってくる音が聞こえる。するとがちゃっとドアが開いて(ドアなんかなかっただろ)外から美しい女性が入ってくる。
「遅くなって申し訳ありません。この世界に呼び出した女神です」
相当走って来たのか息を切らせて苦しそうにしている。
「落ち着いてください。話は慌てないで大丈夫ですから」
五分ほどゆっくり休ませた。
「それでは今回の件についてですが、あのFSOは私が作りました。それであなたのような素晴らしい実績を残した方々に異世界の危機を救っていただきたいのです」
あの神が作ったという噂もあながち間違いじゃなかったのか。
「僕は別にそれで大丈夫ですよ。危機を救うとは何をすればいいのですか?」
「簡単に言うと昔転生した勇者が暴走して神のように振舞っているのでそれを倒すことです」
俺も向こうで暴走したら殺されるのか……
「質問ですが、異世界の言語とかシステムはどうなっているんですか?」
異世界に行く上で重要なことを聞いておく。
「言葉は翻訳されて書くのも日本語を書くと変換されます。スキルとかの取得はFSOと同じで望みや行動によって得られます」
「今までの能力はどうなるのですか?」
「すべてリセットされますが同じように取れて前より簡単に取ることができます」
「後異世界で死神ということは隠したほうがいいですか?」
「その点は安心してください。多くの種族がいてその種族で差別されることはありません」
その後簡単な質問をいくつかして分かったことは、まずお金についての事で1G=1円らしい。また最初に五万G支給されるらしい。召喚場所はどこになるか分からず近くに街があるらしい。そこに行けば何とかなると言われた。神にしてはとても適当だと思うのは俺だけだろうか?
説明が終わったところで別の部屋に移された。部屋に入ると中は5畳くらいの大きさで真ん中には魔法陣が描かれていた。
「今から転移を行います。多少気分が悪くなるかもしれませんがそこはご了承ください」
【転移】
「この世界の魔法はどうやら名前を言うだけでいいのか」
そういった次の瞬間に目の前が真っ白になりまた意識が無くなった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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