ねむくてごめん
魔物たちが無尽蔵に散らかした部屋を片付けて、ソファーに腰を落とす。
ため息を一つつき、ふと部屋のすみに目をやるとポテタのリュックがあった。そういえば今日はポテタの通う学校の特別支援学級だけ遠足だったはずだ。
「あ”ー、中の弁当箱と水筒を洗わなきゃ」
はぁーっと重いためいきをもう一つつく。
「そういえば」
目を開かされた思いで、もう一度リュックを見つめる。アキラのお下がりの紺色のリュックだ。見るだけで郷愁を誘われるが、そうではなく問題は今日彼らがどこに行ったのか?だ。
首をめぐらせるも魔物たちの姿はなく、真帆先生はとっくに帰宅している。ポテタはとっくに夢の中だし、彼に聞いても正しい答えは得られないだろう。真帆先生の連絡先も知らない。
だけど、今日のあの騒動の最中。真帆先生は「出かけた先でポテタが魔物を拾ってしまった(離さなかったので仕方なく自宅まで付き添ってきた)」と言っていたような気がする。
ということは、その場所に問題を解決するヒントがあるような気がする。
「っていうか、そこに魔王を返しちゃえば済む話、なのか?」
うーむとうなってみるも、眠くて頭にもやがかかったような状態では考えもまとまらない。
「ま、いいか。明日考えよう。ついでに水筒と弁当箱も明日洗おう」
リュックから出した弁当箱と水筒をシンクの洗い桶にどぼんと入れたところで眠くてどうしようもなくなり、今日の活動は止めにする。