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29話 男の歪んだ同盟

薄暗いファミレスの喫煙席。

DV野郎は腫れた顎をさすりながら、苛立った様子で煙草をふかしていた。

向かいの席に座った男——朱莉の元彼を、初めて直接見た。

DV野郎「……お前が、朱莉の元彼か」

朱莉の元彼は腕を組み、じろりとDV野郎を観察した。

がっしりした体格で、目つきが鋭い。

朱莉の元彼「そうだ。お前が緋奈子の元彼だな。

電話で話した通り、俺も同じような目に遭ってるって聞いたぜ」

DV野郎は鼻で笑いながら、煙を吐き出した。

DV野郎「まさか、女2人にやられるなんてな……

初対面だが、話が合いそうだ」

朱莉の元彼「女のくせに生意気だろ?

朱莉の奴、急に強くなった気になってやがる。

お前も同じだったんだろ?」

DV野郎「ああ……緋奈子は特に酷かった。

リングで俺をボコボコにしやがった。

赤い服着て、調子こいて……許せねえ」

2人はしばらく無言で相手を値踏みするように見つめ合ったが、

共通の敵に対する怒りが、すぐに彼らを近づけた。

朱莉の元彼「2人で男を倒した気になってんじゃねえか。

ふざけんなよ……女の分際で」

DV野郎「同感だ。

俺もそう思ってる。

だから……お前と組めないか?」

朱莉の元彼は興味深そうに身を乗り出した。

朱莉の元彼「どういうことだ?」

DV野郎「最高の復讐をしたい。

今度は待ち伏せじゃなく、ちゃんと計画を立ててやる。

2人まとめて、泣き叫ぶまで痛めつける。

お前はどうだ?」

朱莉の元彼はにやりと笑った。

朱莉の元彼「いいね……興味ある。

詳しく聞かせてくれ。

俺も朱莉に、昔のことをたっぷり思い出させてやりてえ」

2人はテーブルに顔を近づけ、声を潜めて計画を話し始めた。

共通の憎しみと復讐心が、初対面の2人を急速に結びつけていった。

DV野郎「女は所詮、男に勝てねえ。

今度こそ本気を見せて、叩き潰してやる」

朱莉の元彼「そうだ。

2人で力を合わせれば、絶対に勝てる」

ファミレスの薄暗い照明の下で、

2人の男は歪んだ同盟を結び、暗い笑みを浮かべていた。

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