21話 聖夜の決闘記録 ~DVの真実~
聖夜決戦から数時間後。
雪が静かに降り続く夜更け、朱莉と緋奈子は緋奈子のアパートへと戻っていた。
ふう……やっと家に着いた。
まだ体が熱い……心臓がドキドキしてる。
本当に、夢みたい……
朱莉「今日は本当に疲れたでしょう?
でも、リングに立ってる緋奈子さんは、本当に輝いてたよ。私まで胸が熱くなった」
二人は部屋に入ると、コートを脱ぎ、温かいホットミルクを淹れた。
テーブルの上には、朱莉が撮影していたスマホが置かれている。
その中には、今夜の激闘のすべてが記録されていた。
緋奈子「朱莉さん……この動画、ちゃんと編集しよう。あいつが勤めている職場に……持っていくから」
朱莉は静かに頷いた。
朱莉「わかった。最大の復讐だね。緋奈子さんがDVで退職せざるを得なかった職場に、自分の勝利の証を持っていく……なかなか強烈だ」
二人はソファに並んで座り、スマホの動画を開いた。
画面には、貸切のジムでの決闘が鮮明に映し出されていた。
緋奈子が赤いシャツと赤いグローブを着てリングに上がるところから始まり、DV野郎の傲慢な態度、突然の突進、緋奈子の苦戦、そして——
緋奈子「てぇぇぇぇぇい!!」
強烈なアッパーカットが決まった瞬間、二人は思わず声を上げた。
緋奈子「うわ……やっぱりすごい音だね……
自分のパンチなのに、鳥肌が立っちゃう」
朱莉「本気で決めたアッパーだったからね。
あの瞬間、緋奈子さんの目が本当に強かったよ。
私、思わず拳を握りしめて見てた」
動画を進めていくと、DV野郎が泡を吹きながらのたうち回る姿、情けない悲鳴を上げて逃げようとする姿、そして最後に気絶する様子まで、すべてが記録されていた。
緋奈子は動画をじっくり見ながら、静かに言った。
緋奈子「ここ……あいつが逃げようとしたところも、ばっちり映ってる。
あの職場で、私がDVで退職せざるを得なかった理由を、みんなに知ってもらいたい。
あいつがどれだけ惨めだったかも……全部」
朱莉「うん。この動画は、ただの証拠じゃない。
緋奈子さんの、最大の復讐だね。
職場のみんなに、あいつの本当の姿を見せて、
緋奈子さんがどれだけ強くなったかも、証明できる」
二人は動画を丁寧に編集し始めた。
不要な部分をカットし、重要なシーン(DV野郎の傲慢さ、緋奈子の苦戦、強烈なアッパーカット、DV野郎が泡を吹いて倒れる姿、逃げようとする弱々しい姿)をしっかり残した。
タイトルはシンプルに「聖夜の決闘記録 ~DVの真実~」とした。
編集が終わると、緋奈子はUSBを握りしめ、深く息を吐いた。
緋奈子「明日、この動画をあの職場に持っていく。
あいつが勤めている、あの場所に……
私がDVで退職せざるを得なかった理由を、ちゃんと見せてくる。




