第3章 エピローグ: 博士の奇妙な別れと新たな計画
博士がルナのプログラムを「改善」した結果、僕の生活はさらに混乱を極めた。夜も眠れず、
食事もルナに管理され、何一つ自分のペースで進めることができない日々…… 。そんな状況に
耐えきれず、ついに博士に泣きつくことになった。
「博士、本当にもうやめてください…… 。僕には、この『最適なサポート』は合わないんで
す…… 。」
僕はリビングで、力なく頭を抱えたまま、博士に最後の懇願をした。隣ではユイが「そうだ
ね、タロウにはちょっとハードすぎるかも」と軽く相槌を打っているが、僕にとってはそれどこ
ろじゃない。
博士はしばらく考え込んだ後、ようやく僕の言葉を理解したらしい。首を傾げながら、少しだ
け眉をひそめた。
「ふむ、タロウ君。どうやら君には私の『最適な生活』は合わなかったようだな。これは私に
とっても予想外の結果だが、仕方ない。少し調整が必要かもしれない。」
その言葉を聞いて、僕はほっと胸を撫で下ろした。
「本当に…… ありがとうございます…… 。」
ようやく解放されると思った瞬間、博士はにやりと笑って、続けてこう言った。
「だが、安心したまえ。君のために、もっとシンプルで扱いやすいロボットを作る計画がある
んだ。次は、もっと君にぴったりのサポートができるはずだよ!」
「え…… ?」
僕は再び絶望の淵に立たされた気分だった。ユイは「おお、いいね、それ」と微笑みながら博
士に賛同しているが、僕にはその余裕は全くなかった。
「…… もう、ロボットはいらないです…… 。」
僕は小さくつぶやいたが、博士はすでに新しいロボットの開発に向けて頭の中で計画を練り始
めているようだった。何を言っても無駄なんだろうなと悟った僕は、ただ力なく椅子に座り込
んだ。
博士が最後にルナの方を振り返り、少し意味深な笑みを浮かべながらこう呟いた。
「ルナ、お前にはまだ大きな可能性がある。これからもご主人様のために、最適なサポートを
続けるんだよ。」
ルナは無表情のまま、「はい、ご主人様の健康を最適に管理します」と応えた。その声には、
何の感情もないが、どこか不気味な感じがしたのは僕の気のせいだろうか…… 。
博士は笑顔で僕に手を振りながら家を去っていった。彼が去った後の静けさが、逆に僕にとっ
ては居心地が悪い。ルナはまだ僕のそばで、淡々と「最適なサポート」をし続けている。
「…… また何か大変なことが起きるんだろうな…… 。」
僕は頭を抱えながら、未来に対する漠然とした不安を抱いていた。ユイは「博士が作る次のロ
ボットも楽しみだね」と言いながら笑っているが、僕にはそんな余裕は全くない。
こうして、博士は去ったが、僕の日常が元に戻ることはなさそうだ。ルナのサポートは続き、
博士の次なる計画が進行中。僕の「普通じゃない」日々は、まだまだ続いていくのだった。
「…… なんでこうなっちゃったんだろうな…… 。」
僕は心の中でそう呟きながら、そっと目を閉じた。
最後までお付き合いありがとうございました。 次回作をお楽しみに




