↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の魔法をプログラムする~日本生まれの異世界の王子は培ったプログラミング技術で魔法国家を建設する~  作者: 霧里 野蒜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/96

第96話 新しい住人 ミレリア

 ブドウ農家の老人にミレリアをソフィアさんの付き人にしたいと申し入れた。

 老人は本人に聞いてみると言い、また、息子夫婦にも確認するので待って欲しいと言った。ブドウの世話であれば、それは今後も続けて良いと話して、了解をもらおうとしたが話はそこで止まった。ミレリアの母親との約束もあるのだろうか、相変わらず、老人は慎重である。

 ミレリアはどうであろうか。

 急に知らない人達がやってきて、一緒に働かないかと言われても、不安なだけかもしれない。さらに一緒に国を作ろうと言われてもピンとこないだろうし、逆に何をされるか分からず、怖がるだけであろう。

 当のミレリアは今、エアリスと話している。年代が近いせいか、以前よりは快活に見える。一緒に国を作る使徒は影響を与え合うのかもしれない。いずれにしろ、このままでは状況は改善しないので、ふわふわパンを与えて別れた。

 ご飯で買収できればそれにこしたことはない。


 何回か、ブドウ農家の家に通って、最終的にはミレリアをソフィアさんの付き人とすることになった。

 気持ちが伝わったのもあるのかもしれない。

 今はエアリスから色んな事を教えてもらっている。一段落したら、僕のところに連れてくるようにお願いしている。


 エアリスがミレリアを連れてきた。

 僕とソフィアさんの元にミレリアがいる。僕はインベントリから、アレクサンドライトの石を机の上に出した。そして、ミレリアへ触るようにお願いした。

 彼女はこくりとうなずくと、おそるおそるアレクサンドライトの石に手が伸びて、触ると光輝き出す。


 「わーっ」

 眩しさに僕たちも目を伏せる。しばらくして、目を開けて彼女を見ると、気丈にもこの状態に耐えているようだ。石は緩く光り続け、彼女の顔が強張った。

 彼女は大きく深呼吸を何度も繰り返す。そして、いつの間にか、彼女の目から涙が流れている。

 涙ながらの顔で僕を見つめ返す。

 静かに話し出した。


 「私は母に捨てられました。お爺ちゃんは戻ってくるから待っていなさいと言っていましたが、そうではないのです。

 母は別れる時に私にハッキリ言ったのです。『あなたは独りで生きていきなさい』と。そして、『あなたには不思議な力があるので、練習し、それを生きる術にしなさい』と。

 母はそれだけ言って私を残していきました。

 それから、私は、その不思議な力を使おうと色々やってみたのですが、今でもうまくできているかはよく分かりません。ただ、木とか草花とか野菜とかに話しかけると成長が早かったり、実りが豊かになったりするので、私は、今の家で畑の手伝いをすることで生きてきました。

 でも、今日、この石が私に話しかけてきました。

 『ラインハルトを支えて欲しい』と。

 私は石に聞いたのです。

 『私で良いのですか』と。

 石は答えました。

 『それがあなたの運命だからだ』と。

 私はすべて分かった気がしました。今までの寂しさはこれから始まる旅の仲間に出会える喜びを探すためだったということをです」

 と言うと、続けて

 「私は嬉しい。私は生まれてくる意味があったのです」

 エアリスの時と同じ言葉だった。


 ミレリアに話しかける。

 「僕はラインハルトと言います。この石が語るミレリアが支えて欲しいと言った者です。急に、こんなことを言われても、あなたも困ると思いますが、ソフィアさんやエアリスと一緒に私を支えて欲しいと思います。いいですか?」

 「支えると言っても、私はどうすれば良いのか、皆目見当もつきません。私にできるのは、木に話かけることぐらいです」

 「それで良いのです。一緒に私達と暮らし、一緒にご飯を食べて、一緒に眠る。そして、一緒にこの街を良くするために仕事をする。そうして欲しいのです。それが、支えるということです」

 「あんまり、よく分からないのですが、エアリスと一緒にいられるなら、そうします」

 「そうですか、良かった」

 僕は安堵した。


 ソフィアさんが、お茶とクッキーを持ってきて、お茶の時間となった。

 受け入れるための部屋とか服とか、話をしていたが、僕は、肝心の彼女のステータスの確認をしていなかった。鑑定では僕はまだ、レベルが低いのか、部分的にしか覗くことができない。


 「ミレリア、一度、あなたのステータスを見せてもらえませんか?」

 「ステータス?何でしょうか?よくわかりません」

 「あー、そうですね。ステータスは自分の状態を表示するものです。魔力を込めながら『ステータス』と唱えてください」

 「魔力を込める?どうして良いか、分かりません。やり方を教えてもらえませんか?」

 「できていると思っていましたが、無意識にやっていたのですね。分かりました。魔力はお腹にあります。その魔力を外に出すイメージで、お腹に少し力を入れて、『ステータス』と唱えてください」

 「お腹ですか?お腹の中には今食べた物以外、何かがあるようには思えません」

 「僕の話を信じてください。お腹に力を入れて、大きく深呼吸して、息を吐き出すのと同時に、『ステータス』と唱えてください」

 ミレリアは大きく息を吸い込み、お腹をへこましながら、大きく息を吐きだした。

 「ステータス」


 NAME:ミレリア・ラージャ・アルディナ

 AGE:16

 職業:土魔術師

 状態:〇健康

 HP:200/200 MP:300/300

 STR:60 DEX:65 AGI:45 INT:55 VIT:40 LUK:40

 武器:なし

 防具:なし

 アクセサリ:なし

 スキル:栽培、料理、裁縫

 魔法:

  土魔法

  アース


 ステータスが表示された。

 ミレリアは目を輝かせてそれを見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。