第9話 セバスチャンは執事の名前
「こちらでございます」
扉を開け、案内された部屋は僕が住んでいた寮程度の広さがあった。
ソファに案内されると紅茶とお茶菓子がでてきた。
「ご挨拶の準備ができるまでごゆっくりお過ごしください。ご不明の点がございましたら、お気軽にお尋ねください」
今後展開される未来への不安も手伝って質問をする。
「お嬢さんの父上はどういった方でしょうか?」
「お嬢様から何もお聞きになっていないのですね。お嬢様は王都で1、2を競うレバークレーゼン商会のご息女で、品位あるご家風のもと、大変聡明にお育ちになりました。 旦那様はそのお嬢様に支店を任せるような教育をされております。今回も新しい契約を結ぶための旅行でしたが、好事魔多し、魔物に襲われ、窮地に陥った次第です。 その窮地を救って頂いたあなたにはお嬢様ともども感謝しきれません。そのことを旦那様にご報告なされていると思います」
「そうなんですね。すごいお方とご縁ができてしまいました。ところでセバスさんは体調いかがですか?」
「もう、すっかり大丈夫です。あなた様のすごい魔法の力で今まで以上に体の調子良いのです。見ていただけますか?」
彼は呟いた。
「ステータス」
光のボードが浮かび上がる。それにはこのように書かれていた。
NAME:セバスチャン
AGE:54
職業:執事Lv10(MAX)
状態:◎健康
HP:220
スキル:運営管理、人員管理、マナー、給仕、料理、ソムリエ
「健康に2重丸がついています。これはかつてないことで、若返ったように体が軽くよく動くのです。ありがとうございました」
空中に浮かびでた光のボードに驚きを隠しながら、
「それは良かった」
と答えた。
「消えろ!」
彼がそう言うと光のボードが消えた。
「その他にご質問はございますか? .... 無いようですので失礼させていただきます」
彼は静かに動きだし、やがて扉が閉まる。
一人きりになった。
ステータスか?
僕もできるのだろうか?まさかなぁ、自嘲気味に呟いてみる。
「ステータス」
「えっ」
光のボードは出現しなかったが、目の前にステータスが表示された。それにプラスアルファも。




