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超獣戯画Ⅱ ~『白鹿と霧の町の闇』原版~  作者: 纏笛


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第82話 共闘

――なんとか間に合ってよかった。

 サラは立て続けに二発打って、他の獣達を牽制する。その様子をみてファンネルは少しホッとしたが、次の瞬間ガイルに体当たりされる。ファンネルは倒れ込み、ガイルを見上げた。

――良い様だ元王妃様。

 ガイルの高笑いに合わせて、二つの首も笑う。二匹は種族が違うので、本来は言葉が通じないが、瘴気を通じて意思疎通ができた。

――あなたこそ、お似合いだわその醜い格好。

 ファンネルの挑発にガイルはイラつく。

――全くこれだから鹿は……。

 ガイルはふうっと息を吐くと、一気に吸い込んで、口から瘴気を吐き出す。周りの首も同じ動作をするが、その時吐き出された瘴気が黒い球体になった。ファンネルは警戒して、ガイルから距離を取るとフッと瘴気の混ざった息を吐いた。

 するとそれが横に長い線になって、ガイルとファンネルの間の地面に着く。二匹の間に長い線ができた。

 ガイルはそんなことお構いなしに息を吐き切ると、完全な黒い球体が三つほどできた。

 ガイルはファンネルの位置をチラッと確認してから、いっせいにその球体をファンネルの方に押しやった。すると、球体は子供が走るくらいの速さでファンネルの側に近づく。そしてファンネルが引いたのところで何かにあたったように止まった。

 それを見てガイルはニヤッと微笑む。瞬間球体は弾けたように爆発した。爆発と言ってもただ爆発ではなくそこから黒い液体のようなものが四方八方に飛ぶ。

 ファンネルは爆発の衝撃で飛ばされそうになりながらもその様子を注意してみていたが、その液体があたった土地の草は溶け出していた。

 球体は三つとも爆発したので、辺りは黒い液体だらけになり、ファンネルの周りの地面も腐食して溶け出していた。

――あれはまずい……もう次は防げないかもしれない。

 ファンネルの能力、任意の箇所に障壁を作る能力には制限があった。蓄えておける瘴気の量で出せる障壁の大きさが異なるのだ。

 彼女はデルアートと達を守るために既にかなり瘴気を使っており、残りは出せて一回程度だった。

 するとファンネルの横にサラが並び立つ。ファンネルがチラッとデルアート達の方を見ると、獣達はほとんどダガーや銃で殺されていた。

 サラ自身も血だらけだったがほとんどは返り血で傷はなかった。

――覚醒した獣がいなくて助かった……。

 いくらこの森の獣が他の獣より賢いとはいえ、覚醒した獣を日々相手にしているサラの敵ではなかった。

――だけどあれはまずい……ただの拡大ではない感じがする。

 サラは瞬時に入れ墨をガイルに飛ばす。ガイル自身に入れ墨がつくと、サラは体を、調べ始める。

――三つの首は完全に体の一部になってる。それにともなってなのかはわからないけど、鼓動も三つが分かれてランダムに振動している……心臓が三つになったとすると厄介だ……。

サラは気をひくために一気に横に走り出す。そして銃を打ち込んだ。しかし、銃弾が何発かあたっても、ガイルはものともしない。

――効かない?

 サラは入れ墨の能力で、ガイルの体に変化はないか触れて確認する。

――確かに銃弾は当たっている。でも、全部周りの二つの首側だ……。まさかあの首、本体を守る役割もある?

 サラはそこまでを確認すると、ガイルの正面に銃弾を打ち込む。しかしガイルは瞬時に横に向きを変えた。ここでサラはガイルが意識的に中心に攻撃が行かないようにしていることにある程度確信を持った。

――残弾数が厳しくなってきたな……。

 サラはほとんど打ち続けで、弾の在庫も残りわずかに迫っていた。ガイルはサラが打ってこないのを見ると、すぐさま瘴気を吐き出し始める。

 サラはワイヤー付きのダガーをガイルの近くの木に投げて、刺さったのを確認すると木を支点にしてワイヤーをひっぱりながら走り出す。そしてそのまま走った勢いを使って滑り込む。

 ワイヤーが、瘴気に集中しているガイルの体に当たる。瞬間サラはワイヤーを切る。

 するとワイヤーはそのままガイルの体に巻き付いていった。ガイルは驚いて瘴気を出すのが止める。

 ワイヤーはガイルの他の二つの首の一つの顔に綺麗にかかっていた。

 そのままサラは入れ墨に力を込める。すると切れたワイヤーの先が他のにくっついて取れなくなった。ガイルは強引に体を揺らしたり噛み切ろうとしたが、びくともしない。

 サラは一気に銃を持って近寄り、打ち込もうとするが、ガイルは身もだえながら一度ブルっと体を震わせた。すると首の一つがスポッと分離して一匹の狼になりサラの方に転げ落ちた。

 分離した狼の体は瘴気にまみれていて、傷だらけだったが、まだ息があった。

 サラがそのことに一瞬期を取られると、体が一つ減ったことで糸から抜け出たガイルが、サラの方に一気に突進した。

 サラは中心を狙うためにに近づきすぎておりガイルを避けられない。

 ガイルに噛みつかれる直前でサラは銃を防御に使い、ガイルの二つ目の首の牙をなんとか防いだが、ガイル自身の体あたりの衝撃で吹き飛ばされる。

 ガイルはそのままサラの銃に噛みついて奪い取り、自分と反対の方向に加えたまま放り投げた。

 サラは吹き飛ばされたがなんとか体勢を立て直すと、一度ガルムと距離をとる。

 ガイルは近くにいた自身の体を掴むとまた自身の体に吸収して三つ首の状態に戻る。

――銃を取られた……使うしかないか……。

 サラは背中のホルダーから剣を取り出す。

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